ネットバンク等で通帳がない場合の、設立会社の払込みがあったことを証する書面

会社の設立登記(発起設立)を申請するときには、資本金に該当する金額が設立時に存在していることの証明書として、

「払込みがあったことを証する書面」

という書面を添付します。

具体的には、

①通帳の表紙両面見開きコピー
②通帳の1ページ目(かつて銀行の届出印が記録されていたページ)見開きコピー
③資本金の払い込みがされていることがわかるページ見開きコピー

を払込があったことを設立時代表取締役が証明した書面と一緒にホッチキスで合綴するor袋とじをして、割印を押した状態のものを言います。

 

しかし、最近ではネットバンキングの利用者がかなり多いのと、大手銀行の口座開設の際であっても通帳を作らない場合も多く、実際私も事務所用の口座はほとんど通帳をなしにしてネット管理しています。

では、払込み金融機関がそのような「通帳がない口座」の場合、どうすれば良いのでしょうか?

 

会社設立の登記申請には、払込みがあったことを証する書面を添付する必要があり、以下のものがこれに該当するとしています。(平成18年3月31日民商782号通達)

①払込機関が作成した払込金受入証明書
②設立時代表取締役または設立時代表執行役の作成に係る払込取扱機関に払い込まれた金額を証明する書面に、次の書面のいずれかを合綴してもの
(ア)払込取扱機関における口座の預金通帳の写し
(イ)取引明細表その他の払込機関が作成した書面

 

募集設立の際に添付する払込みがあったことを証する書面は、①の払込金保管証明書となります。

発起設立(1人会社など)の場合には②の(ア)もしくは(イ)を添付することとなり、通常の預金通帳が存在する口座への払込をした場合には、(ア)預金通帳の写しを添付します。

そして、ネットバンキングや通帳を作成していない口座への払込みを証する書面として添付する書面は、(イ)の取引明細表その他の払込機関が作成した書面ということになります。

ネットバンキングの「払込みがあったことを証する書面」

具体的には、以下の内容が記載された書面を添付します。

なお、複数ページにまたがっても良いとされていますが、その場合は各ページに割印がいります。

①金融機関名
②口座名義人
③口座番号
④振込人の氏名及び日付(○○年○○月○○日という日付と振込金額が記載された明細のページ)

以上の内容が記載されたページをプリントアウトして、設立時代表取締役(執行役)が作成した払込金額を証明する書面とホチキスなどで合綴し割印すれば足ります。

 

補足

ちなみに、払込金融機関の通帳口座名義人は通常「設立するまでの間、会社を事実上代表する発起人」個人です。

発起人でない設立時代表取締役の口座に振り込むことでも可能ですが、その場合は発起人が設立時代表取締役に対して、資本金の払込み受領権限について委任したことがわかる書面を添付することとされています。(登記研究708号、小川等・通達準拠p66)

 

また、払込みの日付について、定款認証後の日付でないと駄目だとおっしゃる先生がたまにいますが、それは誤りです。

確かに実務上は定款の認証をうけその効力が生じた時(会社法30条1項)以後にされることが多いですが、発起人が引き受ける設立後発行株式の数は、定款または発起人全員の同意によって定まるので、

定款認証前であっても、定款作成後または発起人が引き受ける設立後発行株式の数について発起人全員の同意があった後であれば差し支えないとされています。(登記研究708号、昭和31年5月19日民四103号参照)