遺言作成の費用をケチると・・・

遺言作成の費用は惜しまない

 

遺言を作成したいという方からご相談いただく際、必ず聞かれるのが費用です。

遺言の作成を専門家に依頼した場合、当たり前ですが報酬が発生します。

さらに、遺言の場合はその相続財産の価格誰に相続(遺贈)させるかによって公証人の手数料がかかります。

 

公正証書で遺言を作成される場合は公証人の手数料は必ずかかります。

そこで、唯一コストカットが可能な専門家への報酬(10~20万円)を削るために、公正証書遺言ではなくご自身で自筆証書遺言を作成される方がいます。

遺言作成者ご本人としては、10~20万円は決して安い金額ではありませんから、そのコストをカットできて良かったと思われるでしょう。

専門家と依頼者とは委任契約で成り立ちます。

報酬を支払いたくないから依頼しない、というのも依頼者の自由なので全く問題ありません。

 

しかし、以下の3つのリスクがあることを十分に理解した上で選択してほしいと思います。

 

 

専門家を介入させずに遺言を作成した時のリスク

 

無効になる恐れあり

専門家への報酬に加えて、公証人への手数料をも払いたくないという理由で自筆証書遺言を作成される方がいます。

しかし、自筆証書遺言は無効になる可能性があります

専門家への報酬を支払うのが勿体ないというお気持ちは十分わかります。

ただ、依頼者の最大の目的は「相続人のために、正しく遺言を残すこと」のはずです。

相続人にモメて欲しくない、あるいは相続人以外の人間に財産を少し分けたいなど、様々ですが遺言を作成するに至った理由があると思います。

せっかくその理由のために遺言を作成したのに、肝心の遺言が無効になってしまっては本末転倒です。

今は書籍やネットを見れば遺言の作成方法がすぐに出てくるので、見よう見まねで作成する方も多いですが、自分の最期の意思表示・気持ちを伝えられる遺言をネット便りに作成して本当に大丈夫でしょうか?

 

遺言の内容やその後のリスクが予防できない

書籍で自筆証書遺言を作成した場合、よほどの事がない限り遺言の法的要件自体は満たすので、遺言としては有効になることが多いでしょう。

また、直接公証役場に赴いて公証人に教えてもらいながら公正証書遺言を作成する方もいます。この場合は公証人が関与しているため、ほぼ無効になる恐れはないでしょう。

しかし、これらの場合は、遺言書の内容を実現した後のリスクを考えることができていません。

例えば、相続人への分け方によって相続税が大きく変わる場合がありますし、遺留分減殺といった、相続人同士が争う原因を作り出してしまう可能性があります。

これらのリスクは、公証人が親切丁寧に相談に乗ってくれるわけではありませんし、全て答えてくれるわけでもありません。

遺言を有効に作成できたは良いが相続人に多大な税金がかかったり、遺言の内容が原因で相続人同士が争ってしまう危険性をなるべく少なくする方法は、専門家にしっかり相談するしかありません。

しかし、確実に税金がかからない、あるいは相続人がもめない等の事情があれば、公証役場に直接赴いて公正証書遺言を作成するのが最も割安かと思います。

 

 

遺言作成費用以上の負担が相続人にかかる恐れあり

先ほどの税金の話もそうですが、専門家によく相談せずに作成すると、遺言書の内容によっては相続人に負担がかかる恐れがあります。

自筆証書遺言書の場合、まず最初に無効になるリスクを説明しました。

さらにもう1つ付け加えるなら、公正証書遺言と違い自筆証書遺言書は家庭裁判所の検認手続を要します。

検認手続とは、遺言書の内容を改ざん・紛失・隠蔽等されないように、相続人の全員の前で遺言書の内容を確認し、裁判所が確認したというお墨付きを与える手続です。

この検認手続をするためには、まず遺言者(被相続人)の出生~死亡までの戸籍謄本全て、相続人全員の戸籍謄本を集めた上で家庭裁判所に検認申立てをし、相続人全員に裁判所に集まってもらう必要があります。

相続人の数にもよりますが、戸籍集めの費用や相続人の交通費等を考慮すると、かなりの負担がかかります。

言い換えると、遺言者ご本人が遺言書作成の費用を抑えられた代わりに、相続人に余分な手続が増え、負担がのしかかっているようなものです。

自分が死んだ後は野となれ山となれではなく、相続人それぞれにどういった負担がかかるのかをもしっかり考える必要があります。

 

まとめ

専門家に頼むとどうしても費用がかかります。

その費用を支払う場合と、コストカットする場合で、ご自身はもちろん相続人にその後の手続や費用面でどういう影響があるのかをしっかり吟味したうえで手続をしても良いと思います。

相談料無料の事務所もありますので、専門家を上手に活用しながら損のないようにしましょう。

ちなみに当事務所は土日祝での出張相談にも対応していますし、初回の相談料については返金保証制度を採用していますので安心してご相談いただけます。