家族信託のメリット

家族信託は、信託は託す人と託される人との間の契約の一種であり、他の類似制度と比べて柔軟に設定することができます。
具体的にどんな場合にどんな制度が利用できて、どう違うのか、家族信託のメリットを説明します。


時期/ケース 利用できる制度 家族信託の活用
①ご本人がお元気な時に財産管理・承継を任せたい 委任・代理契約
②将来の判断能力低下に備えて財産管理・承継を任せたい 任意後見契約
③判断能力がないご本人の財産管理 成年後見の申立て
④ご本人の死亡後、財産の承継・活用方法を決めたい 遺言
⑤判断能力のないご本人の資産を管理しつつ、積極的に運用したい 対応不可
⑥二次相続以降の財産承継について指定したい 対応不可

①ご本人がお元気な時に財産管理・承継を任せたい

例えば自分の財産を自分に代わって管理・処分してもらいたい場合には、委任契約や代理人を選任する方法があります。
体調が悪くなったり施設に入り遠方に住んでいる等の理由で、意思はしっかりしているものの自分で手続が難しくなった場合に有効です。

しかし、委任や代理で手続する場合は、委任を受けた人あるいは代理人が本人の代わりに適正に手続をする権限が与えられていることを示す委任状や代理権限証明書が必要になります。
さらに、本人確認が厳格になっている銀行などの手続の場合は、委任状を持っていったとしても本人に確認を取らないと手続ができなかったり、本人の印鑑証明書を要求されることがあります。

また、委任や代理の場合ご本人や代理人が死亡したり判断能力がなくなった場合、契約関係が終了してしまうので、手続が途中で終わる、または他の誰かに手続を再度し直さなければなりません。

一方、家族信託の場合、金銭は信託契約により「信託口」という専用の口座で管理し、その管理者は財産を任された受託者になりますので、財産管理を任せた本人の印鑑証明書や本人確認は問題となりません。
また、ご本人や受託者が死亡・判断能力が低下しても、二次的に手続を承継する人間をあらかじめ定めておくことで、スムーズにその手続を行うことができます。


②将来の判断能力低下に備えて、財産管理・承継を任せたい

少し認知症の症状が出始めている場合や、今は意思がはっきりしているが将来に備えて財産管理を任せておきたい場合には、任意後見契約があります。

任意後見契約を結んでおくことで、将来認知症などで判断能力がなくなったとき、財産管理を任された人がスムーズに後見人に就任する制度です。

この制度は、成年後見制度と違いご本人の意思で後見人を選ぶことができる点で成年後見よりも本人の意思が尊重される制度です。
しかし、任意後見制度は契約後ご本人または任意後見人が死亡すると効力が失われます。また、任意後見人自身の判断能力がなくなると、任意後見制度が終了するデメリットがあります。

家族信託の場合、本人や受託者が死亡または後見が開始した場合の財産管理・承継をどうするか予め決めておくことができるので、任意後見のように途中で終了するおそれがありません。


③判断能力がないご本人の財産管理

ご本人の判断能力が衰え(失われ)てしまった場合、成年後見制度を利用することになります。(成年後見制度には判断能力の差違に応じて後見・保佐・補助と3類型がありますが、ここではまとめて成年後見制度と呼びます)

判断能力が不十分となったあとは、法律行為を有効に行えないとされるため、上述の委任契約や代理契約、任意後見契約や贈与契約を結ぶことはできません。

成年後見制度は、ご本人の財産をご本人のために管理することが第一の目的であるため、資産を活用したり、誰かに売却・贈与することはほぼ出来ません。
(成年後見制度については「成年後見の制度とは」で詳しく解説しています。)

しかし、家族信託を利用すれば、ご本人の資産管理は当然ながら、資産を売却して資金を捻出したいときや、ご本人の意向で子供やお孫さんに生活資金を贈与したくなったときに、有効に資産を承継・活用することができます。

これらはご本人の資産を減少させる行為に当たるため、成年後見では行うことができませんが、家族信託であれば可能になります。

ただし、家族信託は契約ですので、判断能力が失われる前に信託契約を結んでいない場合は、成年後見制度を利用することしか出来なくなります。


④ご本人の死亡後、財産の承継・活用方法を決めたい

ご本人の財産をどのように相続人に分けるかを決めるには「遺言」があります。
遺言は自筆でも作成でき費用がかからないため、利用されている方が多いと思います。 (遺言については「遺言の種類」などで詳しく解説しています)

しかし遺言は、二次相続以降の財産承継について指定できない、ご本人の死亡後遺言の効力発生前に相続人が死亡し遺言内容が実現されない、遺産分割や遺留分減殺請求により遺言内容が反故にされるおそれがあります。

たとえば遺言で長男に財産を相続させたとしても、長男が死亡すればその財産は長男の配偶者が相続し、その後は長男の配偶者の家族に承継されていきます(子がいない場合)。
しかし家族信託を利用すると、長男が死亡したあとは次男に相続させることができるうえ、相続人ではない孫に直接利益を分配するような手法をとることもできます。


⑤判断能力のないご本人の資産を管理しつつ、積極的に運用したい

判断能力のないご本人に資産の所有権等を残しながら家賃収入や株などの資産を活用したいとき、家族信託が唯一活用しうる制度です。

また類似のケースとして、ご本人の財産を資産管理できる相続人に承継させつつ、資産活用で得た利益を判断能力のない他の相続人への生活費に充てるといった場合も、従来の制度では対応できませんが、家族信託なら可能です。


⑥二次相続以降の財産承継について指定したい

④で少し説明しましたが、二次相続以降の財産の承継・運用について考えている場合は、家族信託のみが活用できます。

例えばご本人の死後、財産の名義は配偶者にしつつ、配偶者が死亡したときに財産を子供ではなく孫に承継させたり、長男から次男→次男から長男と次男の子供達へと相続させたいといった複雑な資産承継の設計も可能です。



そのほかの家族信託の制度に関する情報をまとめていますので、こちらもご覧下さい。


家族信託よくある質問


家族信託とは?


家族信託と遺言との違いは?


家族信託の成年後見との違いは?


家族信託にかかる費用は?


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    Q
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    基本的には変わりませんが,信託の内容に不動産がある場合、名義変更で司法書士が必ず関与するので,司法書士にご相談された方がスムーズな場合があります。
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    また、その際、本人確認書類のコピーをいただきます。
    ※ 何らかのご事情でご面談が難しい場合、別途ご相談ください。
      また,ご契約の際お手続きに応じた着手金(1~3万円)を申し受けます。

    STEP.4手続着手


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    登記などにかかる税金や実費をお振込みいただき、確認できしだい法務局に申請いたします。

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