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【相談解決事例】銀行の遺言信託制度から当事務所に依頼を変更したケース

2025 5/12
【相談解決事例】銀行の遺言信託制度から当事務所に依頼を変更したケース

銀行の窓口や広告などで、「遺言信託」というサービスを見聞きしたことがあるかもしれません。

銀行のいう遺言信託は、法律上の信託とは違い、遺言書作成のサポートと相続発生後の遺言執行までの間遺言書を保管するサービスのことを指します。

当事務所にも、最近銀行の遺言信託を利用していた方が亡くなり、相続が起きたというご相談事例が増えていますが、遺言信託サービスはいくつかの注意点が必要なケースがあります。

ここでは当事務所が実際にお引き受けした、金融機関の遺言信託を解約してから相続手続を行ったケースをご紹介します。

目次

ご相談内容

ご相談内容

ご相談者は大阪在住の50代の女性です。

亡くなった被相続人Aさんは神戸市に在住しており、配偶者や子供がいません。

被相続人Aさんからみるとご相談者の女性は姪にあたり、Aさんの法定相続人はAさんの兄弟姉妹がいますが、どなたも遠方でかつ高齢です。

Aさんは銀行の遺言信託によって公正証書遺言書を作成しており、相談者の女性は遺言書の中で財産を貰い受ける(受贈者)の立場であると同時に、銀行と同じく遺言執行者の指定を受けていました。

神戸に住むAさんが亡くなり相続が起きたあと、相談者の女性はAさんが作成した遺言書に基づいて相続手続きを行うため、当事務所にご相談に来られました。

ご相談の問題点

ご相談の問題点

銀行が行う遺言信託サービスは、主にご本人がご生前の元気なうちに遺言書を作成するためのサポート、作成後の遺言書の保管、ご本人が亡くなった後の遺言執行のことを指します。

被相続人Aさんの公正証書遺言書の中で、銀行と相談者の女性が遺言執行者に指定されていました。

遺言執行者とは、遺言書に記載された相続内容を実現するために手続きを行う、相続人全員の代理人を指します。

遺言執行者が指定されているところまでは良かったのですが、そこで主な問題が3つあることが分かりました。

銀行がほとんど遺言執行してくれない

1つめに、ご相談者とともに銀行が遺言執行者に指定されているものの、そのほとんどについて銀行は遺言執行者として手続きをしてくれない点です。

具体的には、銀行が遺言執行者として行う手続は、自らの銀行口座解約のみで、他の金融機関についてはすべて相談者が遺言執行者として手続することになっていました。

さらに、相続手続きの大前提となる相続人調査(戸籍収集)、金融機関の残高証明書などの調査、証券会社の調査、債務の調査、遺産分割協議書の作成、不動産の相続登記など、相続手続の一連の手続もすべて相談者が行うことになっていたのです。

つまり、銀行は自分の金融機関口座の解約しかしないというものでした。

遺言執行報酬が高額

問題点の2つめは、銀行の遺言信託に基づく遺言執行報酬がかなり高額である点です。

先ほど述べたように、銀行は自らの口座解約しか執行しないにも関わらず、相続財産の数%を遺言執行報酬として受領することになっており、金額にして100万円近い報酬になっていました。

しかも、当然ながら相続人調査(戸籍収集)、相続登記、相続税申告などを銀行が指定する司法書士や税理士に依頼する場合、遺言執行報酬とは別に専門家報酬がかかるのです。

相談者は多忙で手続きをする時間が確保できない

そして問題点の3つめは、遺言執行者に指定されている相談者の女性は、仕事が忙しく、相続手続きをする時間の余裕がない点です。

遺言執行者は、財産目録を作成し、法定相続人に対して通知をする義務があります。

ご相談ケースの遺言書には、相談者を含む多数の甥姪が財産の受遺者として登場するため、その全員に通知をしなければならないのですが、相談者は多忙であり、戸籍を収集する時間や、遺言執行のために金融機関に赴く時間を確保することが難しい状態でした。

当事務所の解決方法

当事務所の解決方法

以上3つの問題点を円満に解決するために、相談を受けた当事務所がご提案した手続きは次のとおりです。

銀行に遺言執行者を辞退してもらう

まずはじめに、相談者から金融機関に対し、銀行が遺言執行者から降りる(就職を辞退する)ように打診してもらいました。

遺言執行者は、就任を承諾するか否かを選択することができ、就任を承諾した場合は、法定相続人に対して遺言執行者に就任したことの通知をし、以後は相続人の代理人として相続手続きをする責務を負います。

また、遺言執行者に就任したあとに辞任するためには、家庭裁判所の許可を得なければなりません。

銀行が遺言執行者に就任したとしても、相談者様がほとんどを執行するため、銀行は就任そのものを辞退してもらうことにしました。

銀行が遺言執行者から辞退する際には、解約手数料と称して15万円程度の金額を要求してくることがありますが、その金額を支払ったとしても、銀行に払う遺言執行報酬を加味すれば辞退してもらう方が金銭的な負担は軽くなりました。

裁判所に遺言執行者選任申立をする

銀行が遺言執行者の就任を辞退するのと同時に、家庭裁判所に申し立てをし当事務所が遺言執行者に選任する手続きを行いました。

遺言執行者は、あらかじめ遺言書に記載しておく方法と、遺言書を作成した本人が死亡したあとに家庭裁判所で選任申立をする方法があります。

遺言書で指定していた遺言執行者のうち、銀行に降りてもらうのと同時に当事務所が遺言執行者に就任するために裁判所で遺言執行者選任申立を行いました。

当事務所が遺言執行者としてすべての相続手続きを行う

当事務所が遺言執行者に就任することで、相続人とのやり取り、相続に必要な戸籍収集、財産目録の作成、財産調査、銀行預貯金や証券の解約、不動産登記などを一括して引き受けることができます。

その結果、相談者の身体的精神的な負担を減らすことができました。

まとめ

まとめ

すべての遺言信託が相談事例と同じとは限りませんが、今回のケースのように、金融機関が遺言信託で遺言執行者を請け負っているケースでは、金銭的な負担が増え、実務的な負担は相続人が負うことになっていることもあります。

また、金融機関が遺言執行者になっているケースは、相続人調査、相続税申告、相続登記など業務ごとに都度別の士業の報酬が発生することがあり、銀行へ支払う遺言執行報酬とあわせてかなり高額になりがちです。

他方、当事務所のように相続を専門とする司法書士事務所が遺言執行者に選任すれば、相続手続きを過不足なくスピーディに行うことができるだけでなく、金銭的にも割安になることもありますので、多少の解約金を払ってでも銀行には遺言執行者を辞退してもらう方が金銭的、時間的、身体的な負担を減らせることもあります。

亡くなられた方が銀行の遺言信託サービスを利用しているからといって、必ずしも銀行が遺言執行者になった方が良いとは限りません。

このようなケースで悩んでおられる方は、ぜひ当事務所のような相続専門の事務所に一度ご相談ください。

初回相談無料ご予約はこちらのフォームから。お気軽にご相談ください。

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