遺産分割協議では、亡くなられた方(被相続人)の財産について、相続人全員が「誰が、どの財産を、いくら」受け取るか話し合います。
その中で、相続人Aさんが被相続人の財産(家など)を取得する代わりに、相続人Bさんに対してお金(=代償金)を支払って解決することがあります。
AさんがBさんに代償金を支払うと決まったにもかかわらず、支払ってくれずにBさんが困るパターンは良くありますが、Bさんが受け取ってくれずにAさんが困るパターンが先日ありました。
Aさんからすると、Bさんが振込先口座を教えてくれない、連絡しても電話にでない、家に行っても出てくれないなど、非協力的なために代償金が支払えないのですが、そのせいで「○月○日までに支払う」といった期限を超過し、あとから遅延損害金などの主張をされても面倒です。
そこで、ご依頼のケースでは「供託」の制度を利用しました。
法務局に代償金を供託(預ける)ことで、法律上AさんはBさんに支払をしたことになります。
文献をあたり「受領拒否」による弁済供託かと思ったのですが、このケースは管轄法務局と相談した結果「受領不能」による供託となりました。
相続の代償金に限らずお金の取り決めは、トラブルになりやすいので、支払い先口座の確認など、協議段階でしっかり詰めておく必要があります。