遺言書は大きくわけて自筆証書遺言書と公正証書遺言書があります。
自筆証書遺言書や公正証書遺言書を作成した当時から時間が経過すると、引っ越し等で住所を変更したり、結婚等で氏が変わることがあります。
遺言書を作成した本人が住所氏名を変更したときや、遺言書にでてくる相続人(遺贈の受遺者)が住所氏名を変更したとき、遺言書を書き直す必要があるのか、公証役場や法務局に届出がいるのか、遺言書を見直した方が良いケースなどを解説します。
遺言書の有効性と書き直す必要性
新たに抵触する遺言書を作成しない限り有効
遺言書は、新たに抵触する遺言書を作成しない限り、何十年経っていても有効です。
これは自筆証書遺言書であっても公正証書遺言書であっても同様です。
遺言者が住所を変更したとき
自筆証書遺言書の成立要件は、「全文(財産目録除く)」「日付」「氏名」を記入することですので、遺言者の住所が記載されているケースはあまり多くありません。
遺言者の住所が記載されるのは、ほとんどの場合公正証書遺言書です。
遺言者が引っ越し等で住所を変更したとしても、遺言書を作成した当時の住所に瑕疵がなければ、公証役場に対して遺言書の変更手続などの届出は不要です。
なお、法務局保管の自筆証書遺言書の場合は、住所に変更が生じたときは速やかに法務局において変更の届出をする必要がある点に注意が必要です。
遺言者が氏名を変更したとき
遺言者自身が婚姻、離婚、養子縁組等で氏名を変更したときでも、住所変更と同様に作成当時の氏名が間違っていなければ、変更や書き直しの必要はありません。
なお、法務局保管の自筆証書遺言書の場合は、住所に変更が生じたときは速やかに法務局において変更の届出をする必要がある点に注意が必要です。
また、自筆証書遺言書は氏名だけが記載されていることが多いため、遺言者と死亡者の同一性を巡ってトラブルになることがあるかもしれません。
シンプルな自筆証書遺言書の場合は改めて書き直すことで、後の相続トラブルを回避に繋がる可能性もあります。
遺言書にでてくる相続人や受遺者が住所を変更したとき
遺言書に記載された財産の受取人(相続人や遺贈の受遺者)が住所を変更したとき、自筆証書遺言書や公正証書遺言書では一般的に氏名と生年月日で特定していますので、住所がそもそも記載されていません。
仮に相続人等の住所を記載していたとしても、公証役場での変更届等は必要ありません。
遺言書にでてくる相続人や受遺者が氏名を変更したとき
遺言書にでてくる相続人や受遺者の氏名に変更があったとき、遺言書の氏名と現在の氏名が異なることになりますが、戸籍謄本等で変更の記録を辿れるのであれば、住所と同じく遺言書を書き直す必要はありません。
法務局保管の自筆証書遺言書は要注意
自宅で保管する自筆証書遺言書と公証役場で保管する公正証書遺言書は、住所氏名が変更しても書き直す必要はありませんし、届出も不要です。
一方で、法務局保管の自筆証書遺言書の場合は、遺言者の住所氏名本籍、相続人や受遺者の住所氏名に変更があったときは、法務局に変更の届出を要するとされています。
遺言書を見直した方が良いケース
住所や氏名を変更しても遺言書を書き直したり、公証役場に対して届出申請は不要です。
しかし、住所氏名以外で事情が変更した場合は、書き直しや再作成を検討した方が良いケースもあります。
遺言内容に変更がある
「相続させる財産の内訳や配分が変わった」「特定の財産を相続させたい相続人が変わった」など、相続させる相手や持分割合に変更が生じる場合は、現在の心情にあわせた遺言書へと書き直しが必須です。
遺言書に記載している相続人や受遺者が先に死亡した
遺言書に記載している財産の受取人(相続人や受遺者)が先に死亡した場合、予備的遺言で遺言書に二次的な受遺者を指定していないと、遺言書の当該箇所は無効となってしまいます。
予備的遺言(もし相続人が先に死亡したら誰が相続するか)を書いていない場合は、相続人の話し合い=遺産分割協議が必要になってしまいますので、遺言書を残す大きなメリットがなくなります。
遺言書に登場する相続人や受取人が遺言者より先に死亡した場合は遺言書の見直しが必要かもしれません。
遺言書に書いていない財産がある
遺言書に記載のない財産は、通常の相続と同じく相続人全員の遺産分割協議が必要です。
「本遺言書に記載のない財産は~」「~を含む遺言者の有するすべての財産」という書き方にしていない場合は、相続人が別途協議を要するため、遺言書を見直す方が良いかもしれません。
遺言書再作成の場合は注意が必要
一度作成した遺言書を再度作成する場合、文言や内容には細心の注意を要します。
万が一席に作成した遺言書と抵触しない場合は両方の遺言書が有効になり、その内容や有効性を巡って相続人同士でトラブルになる可能性が高くなります。
また、遺言書を自筆証書、公正証書、法務局保管と別々の方式で作成している場合、相続人が特定の遺言書を発見できないリスクが高くなります。
遺言書は遺言者が亡くなってから日の目を見ます。遺言者がいなくても円満な相続ができるツールとして遺言書が十分に機能するように、作り直す場合は内容に注意しましょう。
遺言書作成を司法書士に相談するメリット

法的に有効な遺言書ができる
相続に特化した司法書士であれば、法的に有効な遺言書を作成することができます。
また、公正証書で遺言書を作成しますので、改ざん紛失などのリスクがありません。
二次相続や財産変化に対応した遺言書ができる
遺言書を作成する際は、二次相続が起きた場合や、財産を受け取る相続人が先に死亡している場合を想定して作成することが重要です。
また、遺言書を作成したあとに、不動産を購入する、不動産を処分する、預貯金を解約する、親の不動産を取得するといった財産状況の変化が起こることがありますので、財産状況の変化まで想定して作成すれば、作成し直すことがなくなります。
相続専門の司法書士に相談いただくことで、二次相続や財産状況の変化を考慮した遺言書が作成できます。
遺留分に配慮した遺言書を作成できる
兄弟姉妹を除く法定相続人には遺留分があるため、遺言書の内容によっては遺留分の請求をされることを前提とした相続対策が求められます。
相続に強い司法書士であれば、遺留分を考慮した遺言書の作成や、相続対策を相談することができます。
死亡後の相続手続きも依頼できる
遺言書は作成して終わりではなく、実際に遺言者が死亡して初めて効力が発生し、手続きを進めていくことになります。遺言書に基づいて相続手続きを行う人を遺言執行者と呼びます。
相続の手続きは相続人への連絡、戸籍の取得、金融機関、証券会社、法務局での相続手続きなど、平日に様々な手続きが求められます。
相続に特化した司法書士にご相談いただくことで、遺言書作成段階から遺言執行者も任せることができ、相続が起きた後のスムーズな相続手続きが可能です。
また、不動産の相続登記手続は司法書士が専門家ですので、司法書士を遺言執行者にすることで、弁護士や行政書士を遺言執行者にする場合に比べ、登記手続きを別途依頼する必要がなくなり、その分費用が安くなります。
初回無料のご相談予約はこちらお気軽にご相談ください。







