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共有者に相続が起きた不動産はどうなる?固定資産税の負担をしてくれない場合の対応など

2025 1/06
共有者に相続が起きた不動産はどうなる?固定資産税の負担をしてくれない場合の対応など

不動産は特定の1名が単独で所有する以外に、複数名で共有して保有することができます。
共有している不動産の共有者が亡くなったとき、相続の手続きが必要となります。

ここでは、共有者に相続が起きた場合の相続手続と、よくある質問や問題点を解説します。

目次

共有者が亡くなったときの相続手続とは

共有者が亡くなったときの相続手続とは

ABCの3名が共有している不動産の共有者Aが亡くなったとき、共有者Aについて相続登記が必要となります。

共有者に関する相続登記

共有者に関する相続登記は、一般的に次のような流れで進めていきます。

戸籍収集

亡くなった方(A)の相続人を確定させるため、亡くなった方(被相続人A)の出生から死亡までのすべての戸籍を収集します。

法律上、法定相続人は順位が決まっており、配偶者がいるときは配偶者は常に相続人となります。配偶者以外に、子や孫など直系卑属がいれば直系卑属が、直系卑属がいなければ両親が、両親がいなければ兄弟姉妹が相続人になります。
亡くなった方が遺言書を作成している場合は、収集する戸籍が変わってきます。

不動産調査

亡くなった方名義の不動産を特定するために、役所で不動産調査を行います。

共有する不動産が山林などの場合、他にも田畑や山林を所有しているケースがあり、共有不動産がマンションの場合、ゴミ収集所・集会所・駐車場なども共有しているケースがあります。そのほか、戸建てを共有している場合は、戸建ての前の道路を共有していることもあります。不動産の調査を怠ると、後から共有不動産が見つかり、二重に手続きや費用を要することになりますので、専門家が依頼を受けた場合はほぼ間違いなく不動産の調査を行います。

不動産の調査とは具体的には「名寄せ台帳」を取得することを意味します。
名寄せ台帳とは、亡くなった方の氏名と住所をもって役所に登録されている不動産の一括検索を行うことで出てくる台帳のことで、その市区町村にある亡くなった方名義の不動産を網羅することができます。

遺産分割協議

亡くなった方の相続人が2名以上で、遺言書がない場合、一般的には相続人同士で話し合いをし、誰がその不動産を取得するか決めることになります。これを遺産分割協議と呼び、遺産分割協議の内容を書面にしたものを遺産分割協議書と呼びます。

遺産分割協議書を作成しなくても相続登記をすることもできますが、ほとんどのケースで遺産分割協議書を作成して誰か特定の相続人のみが不動産を相続するように手続します。

相続登記

不動産を相続する人が確定すれば、法務局に相続登記を申請します。

相続登記は不動産を管轄する法務局に対して行いますので、最寄りの法務局や任意で選択した法務局に申請することはできません。

共有状態の不動産でよくある質問

共有状態の不動産でよくある質問

不動産を共有するケースでよくある質問、誤解、問題点などをまとめます。

共有不動産と、単独で所有する不動産で相続手続きは何が違う?

不動産を共有する場合と、単独で所有する場合とで相続登記の内容は変わりません。
相続登記では登録免許税という税金が課せられますが、これは不動産の固定資産税評価額に1000分の4を乗じて計算し、共有の場合は共有持分の評価額を基に計算します。

つまり、1000万円の土地を一人で所有する方が亡くなった場合、相続登記でかかる登録免許税は4万円ですが、仮に1000万円の土地をABが2分の1ずつ共有している状態でAが亡くなったとき、その相続登記でかかる登録免許税は2万円となります。

共有者が死亡したとき、相続手続きに他の共有者の協力がいる?

不動産を共有する人が亡くなったとき、他の共有者の協力はいりません。

あくまで不動産の共有者個人に関して生じた出来事ですので、他の共有者と疎遠であったり、そもそも連絡先を知らなかったり、他の共有者も死亡しているなどの事情には左右されず、亡くなった方の相続人が相続登記をすることができます。

他の共有者が固定資産税を払っているのに、手続きが必要?固定資産税を負担している共有者が代わりにやってくれない?

例えば、不動産の共有者ABCのうちAが死亡したとき、Aが固定資産税を払っているかどうかに関係なく、不動産の名義人である以上はAについて相続登記が必要です。

また、例えば固定資産税を共有者Bが負担している場合でも、その共有者BがAの相続人にあたるケースを除いて、一般的にBがAの相続登記を代わりにすることはできません。

固定資産税がかかっていないので、相続登記しなくても良い?

不動産の所有者や共有者は、固定資産税がかかっているかどうかに関係なく、相続が起きた場合は相続人が相続登記をする必要があります。

相続登記は令和6(2024)年4月1日から義務化されておりますので、相続登記や相続人申告登記をせずに放置していると10万円以下の過料が科せられる可能性があります。

土地は不要なので、他の共有者にあげたい(放棄したい)

共有している土地が不要な場合、「共有持分の放棄」をすることで他の共有者に持分を帰属させることができます。

ただし、相続が起きている場合はいったん相続登記をして、相続人から他の共有者に共有持分の放棄をすることになります。

また、共有者が全員でその土地を放棄したい場合、それが相続によって取得したものであれば、諸条件を満たせば相続土地国庫帰属法に基づいて国に土地を帰属させることができます。

他の共有者が行方不明(疎遠)だが、売却することはできる?

共有する不動産“全体”を売却する場合は、他の共有者の同意を要しますが、自己の共有持分“だけ”を売却する場合は他の共有者の同意は不要ですので、他の共有者が行方不明であったり疎遠であったとしても関係ありません。

ただし、一般的に共有持分だけを取得しても不動産全体の処分権は得られないため、売却することは困難です。

また、他の共有者の行方が不明な場合に不動産が処分できないとなると、共有者に多大な負担を強いるばかりか、有益な不動産の活用が妨げられることになり、国益を害する結果となってしまいます。そのため、「所在等不明土地(建物)管理人制度」により、所在の不明な土地や建物の共有持分を他の共有者が一緒に売却処分することができるようになりました。

共有者が固定資産税を支払ってくれないが、解決方法は?

共有者が固定資産税を支払わず、特定の方のみが固定資産税を負担し続けている場合は、共有者による持分の強制買い取りの方法があります。

共有者は、民法により、その共有持分に応じて管理の使用を支払い、その他共有物に関する負担を負うこととされており、1年以内にその義務を履行しないときは、他の共有者が相当の償金を支払って持分を買い取ることができます。

固定資産税を負担してくれない場合は、内容証明等で負担義務を履行するように請求し、1年間支払義務に応じなければ強制的に買い取ることで、その共有不動産を売却したり、自由に使用することができます。

共有者が賃料などの利益を独占している/独占して使用している場合どうすれば良い?

共有者は、自己の持分を超えて使用している場合、他の共有者に対し、その対価を償還する義務を負います。

駐車場として他人に賃貸している土地の地代を共有者の一人が独占している場合は、他の共有者が自己持分の対価について当然に請求することができます。

また、共有する不動産を一人が独占して使用している場合、その独占状態が共有者間の合意によって始まっているのか否かによって変わります。

共有不動産(共有物)は変更、軽微な変更、管理、保存に分けることができ、それぞれ共有者の合意要件が変わります。

 具体例合意のレベル
保存修繕、他人の妨害排除請求や返還請求など権利の主張各共有者が単独で可能
管理他人への賃貸 使用者の決定変更共有者の共有持分の価格の過半数
軽微な変更性質用途を変えない変更(外壁や道路の修繕塗装)共有者の共有持分の価格の過半数
変更共有物の売却共有者全員の同意

共有者の合意により始まった独占状態を後から変更する場合、その変更行為は現在の使用者に特別の影響を及ぼすため、使用者の同意が別途必要となります。

反対に、共有者の合意なく始まった独占状態であれば、現在の使用者の同意を得ることなく、共有者の持分価格の過半数の合意により、使用者(管理者)を変更することができます。

共有不動産に関する相談は誰にすべき?

共有不動産に関する相談は誰にすべき?

司法書士

共有不動産について相続が起きた場合、司法書士が不動産登記相続登記の専門家ですので、司法書士に相談しましょう。

司法書士であれば、共有不動産の相続登記、不動産の売却手続、裁判所での手続など、共有不動産に関する手続きを網羅的に行うことができます。

弁護士

共有不動産について共有不動産の明渡し、買取請求など、紛争になっているケースや紛争可能性が高いものは、弁護士が専門家ですので弁護士に相談しましょう。

フォームはこちらこちらのフォームよりお気軽にご予約ください。

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