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施設入所や病院に入院するとき身元保証人は必要?任意後見契約・成年後見と身元保証人の関係や違いなどを解説

2026 4/29
施設入所や病院に入院するとき身元保証人は必要?任意後見契約・成年後見と身元保証人の関係や違いなどを解説

介護老人保健施設、介護老人福祉施設、老人ホーム、高齢者専用施設に入所する際や、医療機関に入院が必要になったとき、書面で身元保証人を要求されることがあります。

おひとり様が増えている近年では、親族など身近に身元保証人をお願い出来る人がいない、または関係が疎遠で甥姪などに身元保証人を頼みにくい方が非常に多く、身元保証サービスを提供している民間業者が増加しています。

しかし、身元保証サービス自体には国家資格などはなく、参入障壁が非常に低いこともあり、中には身元保証会社と契約内容についてトラブルになっているケースもあります。

身元保証人と似た立場として、よく任意後見人や成年後見人が挙げられます。

この記事では、任意後見人・成年後見人・身元保証人の違い、施設や病院が要求する身元保証人は本当に必要なのかについて解説します。

目次

任意後見人とは

任意後見とは、自分の判断能力が低下したときに備えて、ご本人がお元気なうちに、特定の誰かを代理人に指定(予約)しておく契約のことで、この任意後見契約によって代理人を引き受けた人を「任意後見受任者」と呼びます。

任意後見受任者は、契約時点ではご本人がしっかりしているため、まだご本人の代理人として行動できる訳ではありません。

ご本人の判断能力が低下したことを証明する医師の診断書を裁判所に提出し、任意後見監督人が裁判所から選任されたときに、はじめて法的な代理人として本人に代わって契約や金銭管理、身上監護の責任を負います。

ご本人の判断能力低下によって裁判所から任意後見監督人が選任されると、「任意後見受任者」は正式に「任意後見人」となるのです。

※本記事執筆2026.4.26時点では任意後見の発効には任意後見監督人が必須ですが、近い将来任意後見監督人が必須でなくなる方向で法改正が検討されています。

任意後見人の資格

任意後見人には特別な資格は必要ありません。

親族、福祉関係者、司法書士や弁護士、法人も任意後見人になることができます。

任意後見契約の利用方法

任意後見契約を利用するためには、ご本人と任意後見受任(予定)者が、公証役場で公正証書によって契約を締結する必要があります。
法改正により、公証役場に行かずとも自宅で公正証書を作成できるようになりましたが、一部の公証役場では、本人確認や意思確認を担保する目的で、依然として対面での作成を要求していることがあります。

成年後見人とは

成年後見とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が低下した常況にある人を保護するために、家庭裁判所から法的な代理人を選任してもらうための制度を指し、裁判所によって選任される代理人を成年後見人と呼びます。

成年後見制度にはご本人の判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3類型があり、それぞれ成年後見人・保佐人・補助人という呼称がありますが、この記事では便宜上「後見人」と表現します。

成年後見人は、裁判所に申し立てをする前提としてご本人の判断能力が低下していることが医師の診断書によって証明されているため、選任直後から後見人としてご本人の契約や財産管理、身上監護を行うことになります。

※本記事執筆2026.4.26時点では後見保佐補助の3類型がありますが、近い将来類型が「補助」に一本化されることが見込まれています。

成年後見人の資格

成年後見人は、任意後見人と同じく特別な資格は必要ありません。

親族、福祉関係者、司法書士や弁護士、法人も任意後見人になることができます。

親族を除く専門家の中では、司法書士がもっとも多く成年後見業務に携わっております。

成年後見制度の利用方法

成年後見制度の利用方法は、本人・4親等内の親族・検察官・市町村長が申立人となり、ご本人の判断能力が低下していることを証明する医師の診断書やご本人に関する資料を家庭裁判所に提出します。

裁判所がご本人にとって後見制度を利用すべきと判断した場合には、裁判所から成年後見人が選任されます。

身元保証人とは

身元保証人とは、本人の身元を証明し、施設や病院への支払いや緊急時の対応を本人に代わって引き受ける人を指します。

本人に何かあったときに対応できる担当者(担当窓口)と考えてよいでしょう。 

身元保証人の資格

身元保証人には特別な資格は必要ありません。

一般的には、ご本人の配偶者や子、兄弟などの親族関係者が身元保証人になることが多いですが、近年では配偶者や子供がいない方、親族と疎遠になっている方が多いため、身元保証をしてくれる人がおらず、困る方や不安になっている方が増えています。

身元保証契約の利用方法

親族関係者など、身元保証サービスを提供する会社以外に個人的に身元保証人を依頼する際には、ご本人が身元保証をしてくれる人の住所氏名電話番号などの情報を提供するか、身元保証人が病院施設所定の書面に必要事項を記入することで利用ができます。

身元保証契約を身元保証サービス会社に依頼する際には、契約先と身元保証の内容(緊急時の駆けつけ対応、日常の安否確認、入院手続きの代行など)を精査し、契約を行います。

任意後見受任者・任意後見人・成年後見人は身元保証人になれない?

任意後見受任者・任意後見人・成年後見人として業務を行っていると、施設や入院先の病院から身元保証人の欄に住所氏名を記入するように求められることがあります。

しかし、混同されがちですが、実は任意後見受任者・任意後見人・成年後見人は身元保証人になれません。

任意後見受任者・任意後見人・成年後見人は本人の「代理人(任意後見受任者は代理人になる予定者)」であり、本人に成り代わって本人の契約を行う(契約内容や権利義務は本人に帰属する)ため、本人と同一視できる立場です。

対して、身元保証人とは、本人に何かあったとき本人の身柄を引き取ったり、本人の代わりに連絡説明を受けたり、本人のために緊急対応をする第三者的な立場ですので、任意後見受任者・任意後見人・成年後見人(≒本人)が、本人の身元保証をすることは出来ないのです。

任意後見受任者・任意後見人・成年後見人は連帯保証人になれる?

病院や施設が用意する書面の中には、身元保証人と同じく「連帯保証人」の欄があることがあります。

連帯保証人は、本人に支払能力がなかったり、施設費入院費を滞納した場合に、本人に代わって債務を弁済する責務を負うことになります。

任意後見受任者・任意後見人・成年後見人を連帯債務者にできるかというと、これも先ほどの身元保証人と同じ考え方に基づき、できません。

任意後見受任者・任意後見人・成年後見人ではなく、個人的に連帯債務や身元保証を求めてくることもありますが、これも本人の利益と相反する行為になるためできません。

施設や病院が身元保証人を要求する理由は?

施設や病院が身元保証人を要求する理由は明確で、次の3点につきます。

  • 確実に費用(入所費用、入院費用)を回収したい
  • 本人に重大な事態が生じたときに、相談でき意思決定できる人を決めておきたい
  • 本人が死亡したとき、本人が退所退院したときの残置物などを引き取り処分してほしい

つまり、「本人に何かあったときに連絡できる」「費用を支払ってくれる」「死後の対応を任せられる」の3点が、施設や病院が身元保証人を要求している理由のすべてと言っても過言ではありません。

入所や入院に身元保証人は必要なのか?任意後見受任者や任意後見人がいる場合はどうなる?

身元保証サービスを提供している会社の中には、病院や施設が「身元保証人」を要求していることそれだけを表面的にとらえ、身元保証が必須であるかのように説明しているところもあります。

しかし先ほど説明したように、施設や病院からすると、万が一のとき「代わりに対応してくれる」「費用を支払ってくれる」ことが担保されているのであれば、身元保証人がいなくても問題ないのです。

当事務所は多くの任意後見契約や成年後見実務を行っておりますが、実際のところ、当事務所が将来的に本人に何かあれば任意後見人や成年後見人として支払や身元の引き受けなど対応する旨を伝えれば、実務上は身元保証人をわざわざ指定せずに済むことがほとんどです。

任意後見人や成年後見人は身元保証人それ自体にはなれませんが、病院や施設が身元保証人を要求する理由、つまり金銭的な対応と緊急時の判断対応をすることに間違いはありませんので、結果として身元保証が必要なくなっているのが実情です。

ただし、すべての施設や病院が同様の対応とは限らず、中には任意後見人や成年後見人とは別に身元保証人を要求することもありますので、必ず施設病院に確認する必要があります。

任意後見を司法書士に相談依頼するメリット

煩雑な書類作成・手続きを丸投げできる

司法書士は、契約書作成、公証役場での手続、登記関係、裁判所提出書類作成まですべてを専門としています。
弁護士は登記手続に精通しておらず、行政書士は登記と裁判所提出書類作成ができません。
そのため、司法書士なら、任意後見契約の原案作成から公証役場での公正証書作成の調整、将来の「任意後見監督人選任」の申立てまで代行可能です。

財産管理・不動産登記のプロである

司法書士は、後見業務に最も多く携わっている専門家です。
さらに、不動産登記が独占業務であるため、預貯金の管理だけでなく、自宅の売却が必要になった際の不動産登記まで一貫して任せられる強みがあります。

公正な第三者としてトラブルを防止できる

親族間の争いがある場合や、将来の使い込みを疑われたくない場合に、中立な立場で透明性の高い管理を行います。

「見守り」「死後事務」「遺言」も依頼できる

当事務所は相続専門の司法書士事務所であり、任意後見契約が発効するまでの「見守り契約」や、亡くなった後の葬儀・片付けや役所手続などを行う「死後事務委任契約」、亡くなった後の故人の財産を誰かに承継してもらうための遺言書作成まで、生前~ご逝去後までのトータルサポートが可能です。

初回無料相談予約はこちらからお気軽にご相談ください。

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