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家族信託を利用する際にかかる税金とは?

2024 12/28
家族信託を利用する際にかかる税金とは?

家族信託は、遺言書や成年後見制度、死後事務委任契約などと並んで近年注目されている新しい契約の方法で、財産の管理や処分などを特定の方に信じて託す契約を指します。

家族信託を活用する例として、高齢の方に代わって甥姪が不動産や預貯金などの財産管理を行うパターン、障害のある子どもの親が、親死亡後の生活費確保のために第三者に財産管理を任せるパターンなどがあります。

遺言書、死後事務委任契約などと同じく相続対策の分野で活用されることの多い家族信託ですが、その利用には税金が複雑に関係しているため、充分な理解のないまま利用すると思わぬ税金が課されることがあります。

家族信託を利用する際にどのような税金がかかるのか、税金がいつ誰にかかるのか、家族信託と税金にまつわる注意点などをご説明します。

目次

家族信託とは?

家族信託とは?

そもそも家族信託とはどういう制度かというと、財産を保有する人が、財産の管理運用処分に関する権限を第三者に託し、託された人が財産の管理運用処分を行う制度です。

家族信託には、財産を託す人(委託者)、財産を託される人(受託者)、そして財産の管理や処分、例えば賃貸物件の賃料や年金収入、不動産の売却益などの利益を受け取る人(受益者)の3者が登場します。財産を託す委託者と、財産の管理運用処分による利益を受ける受益者は同一人物でも問題ないため、ケースによっては委託者=受益者、受託者の2者が登場します。

第三者機関としての受託者は、信託銀行が有名ですが、信託銀行を受託者とするためには信託銀行に報酬を支払わないといけないほか、一定の金額以上の財産を預けないといけないなどハードルが高く、しかもスピーディに対応をしてくれないことが多いため、身近な親族(家族)が受託者となって財産を管理することがほとんどです。

このように、委託者の家族が受託者となって財産を管理するため、「家族信託」と呼ばれています。

家族信託で何故税金がかかる?

家族信託で何故税金がかかる?

家族信託は委託者が保有する財産を受託者に託します。

託された財産は「信託財産」として、委託者固有の財産とも、受託者固有の財産とも異なる財産として位置づけられます。

とはいえ、委託者や受託者から分離された信託財産だとしても、最終的には誰かがその信託財産の管理運用処分によって利益を受けるので、信託していない財産と同様に、利益が発生したとき等に税金が課せられる仕組みになっています。

家族信託に節税効果はない

家族信託に節税効果はない

家族信託を利用することで税金が控除されるといった制度はなく、節税の目的で利用する方はいません。

家族信託は、不動産や預貯金など、委託者が特定の財産の管理処分権等を信じる人(受託者)に託し、安定した生活基盤を構築したり、円滑な資産承継や活用を主な目的とすることがほとんどです。

家族信託でかかる税金の種類とタイミング

家族信託でかかる税金の種類とタイミング

家族信託では、一般的な取引や権利義務の移転と異なり、時期と相手方によって課税か非課税かが変わりますので注意が必要です。

基本的な考え方としては、「委託者=受益者」なのか、つまり財産を託した人が持っていた財産から生み出される利益を、引き続き財産を託した人本人が引き続き享受するのか否かによって変わります。

フォームはこちらこちらのフォームよりお気軽にご予約ください。

家族信託で注意すべき税金

家族信託で注意すべき税金

家族信託は優しいイメージに思える呼び方ですが、税金はしっかりかかります。
家族信託でかかりうる税金をご紹介します。

贈与税

信託設定時

一般的に、財産を無償で譲渡した場合には贈与税が課されますが、家族信託を用いる場合において、「委託者=受益者」であるとき、つまり財産を託した人本人が、信託財産から生じる利益を引き続き得るときは、贈与税がかかりません。

一方で、委託者以外の人が信託した財産の利益を得るときは、受益者に対して贈与税が課されます。

信託終了時

信託終了時に当初委託者が財産を取得する場合、つまり財産が元の持ち主に戻る場合は贈与税はかかりません。

また、信託終了時に、委託者でない受益者が財産を取得する場合、信託設定時点で贈与税の支払等がなされているため、贈与税の問題は起こりません。

受益者の死亡を原因とする信託の終了など、受益者以外の者が財産を取得する場合は、贈与税や相続税がかかる可能性があります。

不動産取得税

信託設定時

一般的には、不動産を取得した際に取得者に不動産取得税がかかることがありますが、信託ではあくまで財産の管理者を変更するだけであり、財産の確定的移転ではないため、不動産取得税はかかりません。

信託終了時

信託終了時に当初委託者が財産を取得する場合、つまり財産が元の持ち主に戻る場合は不動産取得税はかかりません。

また、信託終了時に、委託者兼受益者の相続人が財産を取得する場合、相続税の問題となりますので、基本的には不動産取得税の問題は起こりません。(一定の条件あり)

それ以外の方が財産を取得する場合には、不動産取得税がかかる可能性があります。

譲渡所得税

信託設定時

不動産を処分した場合に、利益が生じていれば譲渡所得税が課されることがあります。

信託を設定するときは、不動産を処分した訳ではないため、譲渡所得税はかかりません。

信託設定後契約中

信託した不動産を売却したとき、譲渡益が出ていれば、受益者に対して譲渡所得税が課されます。

また、信託の「受益権」そのものを第三者に譲渡したときも、譲渡所得税がかかることがあります。

信託終了時

信託が終了し、受益者以外の者が財産を取得したときで、財産取得者が受益者に対価を支払った場合には、最終の受益者に対して譲渡所得税が課されます。

相続税

信託設定時

委託者が受託者と家族信託契約により財産を委託した場合、家族信託設定時点では当然ながら相続税はかかりません。

信託設定後契約中

家族信託契約後に受益者が死亡した場合、受益権が相続財産となり、相続税申告の対象財産となります。

家族信託は、相続財産から信託財産を隔離する機能もありますが、受益者死亡の場合で後継受益者を指定していない場合は、信託財産受益権は相続財産となります。

信託終了時

受益者が死亡した際に信託が終了する定めがあるときは、受益権は相続されず、信託財産の帰属権利者が財産(と受益権)を取得します。

帰属権利者の定めがないときは、委託者に財産が帰属し、委託者が死亡している場合は委託者の相続人が財産を相続します。

財産の帰属権利者が最終受益者でない第三者である場合は贈与税の問題になり、最終受益者の相続人である場合は相続税の問題になります。

登録免許税

信託設定時

登録免許税は信託財産に不動産がある場合に課されます。

委託者から受託者に所有権移転および信託の設定登記をする場合、土地は不動産評価額の0.3%、建物は不動産評価額の0.4%かかります。

土地の評価額が1000万円とすると、登録免許税は3万円です。

信託設定後契約中

信託契約に基づく信託登記によって、不動産は受託者名義になります。

その後、受託者が変更した場合、受託者の変更登記(新受託者への所有権移転)が必要となりますが、この場合の登録免許税は非課税です。

信託終了時

信託が終了したときに信託財産に不動産がある場合、財産の帰属権利者への所有権移転登記と信託抹消登記を同時に申請します。

財産の帰属権利者への所有権移転および信託登記の抹消は、

①所有権移転登記:不動産評価額の2%
②信託不動産の個数×1000円

がかかります。ただし、①については委託者兼受益者の相続人が財産の帰属権利者である場合など、一定の条件のもとで登録免許税が不動産評価額の0.4%(通常の相続と同じ)になります。

家族信託を相談すべき専門家は?

家族信託を相談すべき専門家は?

家族信託は、多くの方が「親名義の不動産を何とかしたい、いざという時に処分できなくなるのは困る」という理由で利用されます。

家族信託は契約の作成難度が高いため、相談に乗れる専門家は多くありませんが、弁護士、税理士、司法書士、行政書士の中で家族信託を扱える専門家の数は、司法書士が圧倒的に多いといえます。

その理由として、信託財産に不動産が含まれており不動産登記が必要であること、高度な契約であり民法に精通していること、公正証書で作成するため公証役場との折衝に慣れていることがあり、このすべてをクリアできているのは司法書士だけだからです。

ただし、司法書士だからといってすべての事務所が家族信託を理解しているわけではありません。

当事務所であれば、長年培ってきた家族信託の専門知識と実績がありますので、お気軽にご相談ください。

フォームはこちら初回相談料無料。お気軽にご予約ください。

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