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生前贈与と相続遺言での贈与はどちらが安い?費用、手続、税金など比較

2023 12/13
生前贈与と相続遺言での贈与はどちらが安い?費用、手続、税金など比較

家、土地、貴金属、現金、自動車などの財産を相続人や第三者に渡す方法は、主に売買・贈与・相続の3つがあります。その中でも、土地や建物については、生前から相続人の誰かに贈与しておきたいと考える方が多くおられます。

しかし、本当に生前贈与を選択すべきなのかよく検討しないと、後から高い税金を支払うことになったり、税優遇の措置を受けられなくなってしまうことがあります。

生前贈与とよく比較される、遺言による贈与(遺贈)との違いや注意点、税金などを解説します。

目次

生前贈与と遺言による贈与、どちらが良いの?

家や土地、預貯金などを贈与したい場合、いまこの瞬間に贈与する方法と、将来的に移転させる死因贈与、遺言による贈与などの方法があります。

どちらを選択すれば良いのかは、贈与において何を重視しているのかによって変わります。

税金的に安い方を選ぶのなら間違いなく遺言

相続税、取得税など様々な税金がある中で、贈与税はかなり高い税率を課されています。
贈与税の最高税率は55%にもなり、例えば2500万円の現金を贈与した場合、945万円もの税金がかかるため、実際に受け取れる金額は1555万円に減ってしまいます。

一方、遺言書による贈与(遺贈と呼びます)は、相続税がかからない場合はそのまま受け取ることができますので、税金的に安い方法を選択したいということであれば、生前贈与ではなく遺言を用いて贈与する方が圧倒的にお得です。

相続時精算課税が使える場合は贈与税を先延ばしにできる

贈与をする際に相続時精算課税制度を活用すれば、本来かかる贈与税を相続発生のときまで先延ばしにすることができます。

いま確実に移転させたいなら贈与

遺言書による贈与は、将来的に財産が移転するようにしておくだけで、今すぐ相続人などが財産を取得できるわけではなく、その保証もありません。

遺言書を作成したものの遺言自体が無効になる、遺言書を作成した後に後見人が選任されて財産を処分してしまい、贈与予定の不動産や財産が存在しなくなる可能性があります。

大切な家、土地などを確実に相続人や特定の第三者に移転させたい場合には、不確定な要素のある遺言書ではなく生前贈与を活用すべきです。

生前贈与とは

生前贈与とは、その名のとおり生前に贈与することを指し、贈与する人(贈与者)と財産をもらう人(受贈者)の契約によって成立します。

生前贈与にかかる税金

贈与は贈与税がかかります。

贈与税とは、金銭、不動産、動産など一定の資産的価値があるものを贈与した際に、受贈者(贈与された人)にかかる税金のことで、贈与する人ではなく贈与された人(財産をもらった人)が贈与税を支払います。

労働の対価として得る金銭に対して課税される所得税と異なり、贈与は無償で財産を譲り受ける、つまりその人が対価を伴わずに財産を受ける契約ですので、他の税金よりも高い税率が設定されています。

贈与税の税率

贈与税は金額が大きくなるほど税率が高くなり、最高55%もの税金が課されます。
例えば、相続時精算課税を利用せずに2500万円の贈与をした場合、

(2500万円―基礎控除110万円)×50%―250万円=945万円の贈与税がかかります。

生前贈与のメリット

当事者の契約で効力発生

生前贈与は相続と異なり他の相続人との話し合いや同意は必要なく、贈与者と受贈者の契約により成立します。

相続になると他の相続人が出てきてもめてしまう可能性が高い場合には、当事者のみの契約で財産を贈与することができるメリットがあります。

確実に移転できる

生前贈与は贈与者自身が元気なうちに受贈者に渡すことができるので、将来本当に受け取ってくれるのかという不安要素がなく、いまこの瞬間に確実に贈与できます。

代々受け継がれてきた財産を承継し、それを見守ることができる点もメリットです。

生前贈与のデメリット

税金が高い

先述したように贈与税の税率は贈与する財産の価値に比例して高くなるため、贈与税を支払う受贈者にとっては大きな負担となります。

非課税枠が小さい

贈与は年間110万円までなら非課税の扱いを受けますが、この非課税枠はかなり小さく、自動車や株式、不動産を贈与すると簡単に非課税枠を超えてしまいます。
大きな財産をまとめて贈与するためには、相続時精算課税制度や婚姻期間20年以上の配偶者特別控除などの税制度を検討することになります。

判断能力が低下していると贈与できない

贈与は当事者の契約によって成立しますが、認知症などで判断能力が低下している人は自分自身で契約や法律行為を行うことが難しい人であるため、贈与をすることができません。

遺言による贈与とは

遺言による贈与を省略して遺贈と呼びます。

遺言によって相続人や第三者に対して財産を承継させる旨を記載すると、遺言者が死亡した後にその遺言書どおりに財産が移転することになります。

遺言による贈与でかかる税金

遺言による贈与は相続の際に生じるため、贈与税ではなく相続税の対象になります。

相続税には基礎控除があり、亡くなった方の保有財産が基礎控除以下だった場合、基本的に相続税はかからないことになります。(細かい例外は割愛します)

相続税の基礎控除=3000万円+(相続人の数×600万円)

亡くなった方に配偶者と子供2名の合計3名の相続人がいる場合、基礎控除は4800万円になり、不動産や預貯金がその金額以下であれば基本的に相続税は非課税になります。

遺言による贈与のメリット

生前贈与よりも基礎控除が大きい

遺言による贈与は相続税の対象になり、相続税は上述した基礎控除が大きいため、生前贈与よりも税金がかかる可能性が低くなります。

いますぐに贈与したいわけではなく、将来的に移転が実現されれば良い場合は遺言書を活用して移転させる方が税金的なメリットがあります。

遺言による贈与のデメリット

遺言書が無効になる可能性

遺言書は要式に不備があると無効になってしまいます。

遺言書が無効になると、相続人の話し合いにより財産が分割されるため、本来望んだ人ではない相続人に財産が承継されてしまうリスクがあります。

贈与対象財産がなくなっている可能性

遺言書を作成したあとに認知症になってしまい、成年後見人が選ばれたとき、成年後見人が不動産や貴金属を売却してしまうことがあります。家や土地、大切な貴金属を贈与しようと考えて遺言書を残していても、後見人の判断で売却されてしまい、贈与が事実上無効になってしまうことがあります。

受贈者が先に亡くなっている可能性

遺言書を作成した後、受贈者が先に死亡すると、その部分について遺言書が無効になってしまう可能性があります。

遺言書が無効になると、相続人同士の話し合いで財産を分割するため、財産が望んでいない人に移転してしまうリスクがあります。

生前贈与や遺言書を司法書士に相談するメリット

契約書、遺言書など法律文書の作成を依頼できる

司法書士は贈与契約書や遺言書などの法的効力を有する書面を作成することができます。ご自身で作成した贈与契約書や遺言書を法的に問題がないかチェックしてもらったり、1から作成してもらうことができます。

不動産の調査や登記申請を依頼できる

不動産を生前贈与すると、不動産の名義を変更しなければなりません。
この贈与の不動産登記の専門家は司法書士であり、税理士や行政書士、資格のないものが行うことは違法です。

司法書士であれば、不動産の情報を正確に把握し、登記申請まで行うことができます。

相続が起きたときの対策、税金対策を相談できる

司法書士に贈与や遺言書を相談するメリットの1つとして、相続が起きた後の法律関係、リスクの回避、将来かかる税金への対策などを相談することができる点があります。

相続は相続人同士の関係や財産によって気を付けるべき点が違い、さらに贈与税や相続税などを考慮しながら対策を取ることが重要です。

司法書士にご相談いただければ、税理士と連携してこれらの対策を同時に並行して進めていくことができます。

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