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贈与税をかからなくする方法、相続時精算課税制度とは

2023 10/21
贈与税をかからなくする方法、相続時精算課税制度とは

金銭、不動産、動産など一定の資産的価値があるものを贈与した際に、受贈者(贈与された人)には贈与税がかかります。

しかし、相続時精算課税制度を上手に活用することで、贈与税がかからない0円にすることが可能です。

相続時精算課税制度とは、制度の要件、注意点を紹介します。

目次

相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度とは、ある人から2500万円以内の贈与を受けた人が本来払うべき贈与税を、贈与者の死亡(相続時)に相続税として加算して納税を先延ばしにする制度です。

相続時精算課税制度を理解するには、相続税と贈与税の理解が不可欠です。

前提となる知識を紹介します。

贈与税とは

贈与税とは、金銭、不動産、動産など一定の資産的価値があるものを贈与した際に、受贈者(贈与された人)にかかる税金のことです。

贈与する人ではなく、贈与された人(財産をもらった人)が贈与税を支払います。

労働の対価として得る金銭に対して課税される所得税と異なり、贈与は無償で財産を譲り受ける、つまりその人が対価を伴わずに財産を受ける契約ですので、他の税金よりも高い税率が設定されています。

贈与税の税率

贈与税は金額が大きくなるほど税率が高くなり、最高55%もの税金が課されます。

例えば、相続時精算課税を利用せずに2500万円の贈与をした場合、

(2500万円―基礎控除110万円)×50%―250万円=945万円の贈与税がかかります。

相続税とは

相続税とは、一定金額以上の財産を持っていた方について相続が発生したときに、その財産を相続や遺贈で承継する相続人が納税する税金のことです。

相続税の非課税枠とは

相続税は基礎控除枠があり、次の計算式で算定されます。

相続税の非課税枠=3000万円+(法定相続人×600万円)

例えば、法定相続人が2名のときの非課税枠は4200万円となり、株式・不動産・預貯金などの財産の金銭的価値が4200万円未満のときは相続税がかかりません。

相続時精算課税を利用できる人

贈与者は60歳以上

受贈者は18歳以上の子供や孫

相続時精算課税の手続利用方法

相続時精算課税制度選択届出書が必要

相続時精算課税制度を利用するには、その制度を選択する旨の届出が必要です。

仮にこの届出を忘れてしまうと、一般の贈与と扱われ、先ほどの900万円以上もの贈与税が発生します。

相続時精算課税を利用した方が良いケース

贈与する財産以外に、大きな財産がない

相続時精算課税制度で贈与した財産は相続時に相続税の算定財産に組み入れられます。

贈与した財産以外に大きな相続財産がないとき、結果的に贈与税も相続税もかからくなり、贈与税を0円にすることができます。

確実に特定の財産を承継させたい

相続が発生すると、相続人全員で財産の取得方法について話し合いをする必要があります。

例えば、特定の相続人に家を相続してほしいと思っていても、その相続人が家を相続できるか否かは他の相続人との協議で決まります。

そこで、相続時精算課税制度を利用すれば、いまこの瞬間に確実に贈与で財産を移転することができます。

相続税対策として価値が上がりそうな財産を承継させておきたい

相続時精算課税制度は贈与時の財産の価格で相続時に計算されます。

贈与してから相続が起きるまでの間に財産の価値が上昇した場合、その上昇分は丸々資産を圧縮できたことになり、大きな節税効果となります。

相続時精算課税制度の注意点

2500万円以上+年間110万円以上の贈与には一律20%の税金がかかる。

相続時精算課税制度の上限は2500万円ですので、その金額を超えた贈与については一律で20%の税金が課されます。

ただし、法改正により、2024年1月1日以降の贈与は年間110万円未満であれば非課税とされました。

一度相続時精算課税制度を利用すると撤回できない

相続時精算課税制度の届出を行うと、その当事者間の贈与はすべて相続時精算課税制度の対象となります。

一律で20%の税率が課されるため、少額をこまめに贈与しようとすると思わぬ税金が発生することになります。

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