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法定相続分とは?法定相続人、推定相続、代襲相続、数次相続、半血相続、遺留分との違いを解説

2023 8/10
法定相続分とは?法定相続人、推定相続、代襲相続、数次相続、半血相続、遺留分との違いを解説

法定相続分とは、相続の手続きにおいて頻繁に使われる、最も基本的な法律用語と相続の概念です。

法定相続分とは何かを理解すれば、類似した推定相続、代襲相続、数次相続、半血相続、遺留分との違いがわかるようになります。

法定相続分とは何か、他の類似用語との違いを解説します。

目次

法定相続分とは?

法律上の相続人に認められた法律上の取り分のことです。

相続人同士の話し合いにおいては、一般的に法定相続分をベースに行うことになります。

法定相続人とは?

法定相続人とは、ある方が亡くなったときに、法律上相続人になりうる立場の方を指します。

もっとも一般的な法定相続人は配偶者と子供です。

この法定相続人は民法によって順位が決まっており、法律上誰が相続人になるのかを規定しているだけでなく、その相続人が亡くなった方の財産をどれだけ承継する権利があるのかをも規定しているのが「法定相続分」です。

法定相続分は、法定相続人が確定して初めて検討されます。

具体的な法定相続分

具体的な法定相続分は以下のように表すことができます。

兄弟姉妹
配偶者あり配偶者:子
=1/2:1/2
配偶者:親
=2/3:1/3
配偶者:兄弟姉妹
=3/4:1/4
配偶者なし

配偶者がいる場合

配偶者

配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人になります。

亡くなられた方(被相続人)に子がいる場合、配偶者と子は2分の1ずつの割合で法定相続分を有します。

子供が2人以上の場合、子供は2分の1を頭数で割りますので、例えば子供が2人いる場合、配偶者は4分の2、子供は4分の1ずつの法定相続分となります。

注意点

ここで注意すべきことが、子供は今の配偶者との間の子供に限らない、という点です。

典型的なのは前配偶者との間に子供がおり、再婚相手との間に子供がいないケースです。

この場合、再婚相手の配偶者は、相続が発生すると前妻との子供と遺産分割協議をしなければならなくなります。

こうした事態を避けるために、生前に遺言書を作成するなどしてトラブルになることを極力避ける必要があります。

亡くなった方から見て子供がいたけれど、子供は先に亡くなっており、かつその子供に子供(亡くなった方から見て孫)がいる場合、孫は相続人になります。

孫が相続人になる場合、もともと孫の親が持っていた相続分を承継し、孫が複数いる場合は頭数で割ります。

被相続人:X

相続人:配偶者Y、子供A、子供Bの子(Xの孫)C、D

法定相続分 Y:8分の4、A 8分の2、C 8分の1、D 8分の1

子供がおらず親がいる場合は、親が法定相続人になります。

この場合、配偶者と親はそれぞれ3分の2、3分の1の割合で法定相続分を有し、両親が存命の場合両親は法定相続分を頭数で割ります。

配偶者と両親が

被相続人:X

相続人:配偶者Y、親AとB

法定相続分 Y:6分の4、A 6分の1、B 6分の1

兄弟姉妹

子供、両親がおらず、自分の兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹が法定相続人になります。

配偶者と兄弟姉妹はそれぞれ、4分の3、4分の1の法定相続分を有します。

兄弟姉妹が複数いる場合、兄弟姉妹は4分の1を頭数で割ります。

被相続人:X

相続人:配偶者Y、兄弟姉妹のABCD

法定相続分 Y:16分の12、ABCDは各16分の1

甥姪

先に亡くなっている兄弟姉妹がおり、かつその子供(亡くなった方の甥姪)がいる場合、甥姪は法定相続人になります。

甥姪が相続人になる場合、もともと甥姪の親が持っていた相続分を承継し、甥姪が複数いる場合は頭数で割ります。

被相続人:X

相続人:配偶者Y、兄弟姉妹のABC、兄弟姉妹Dの子EとF

法定相続分 Y:32分の24、ABCは各32分の2、EFは各32分の1

配偶者がいない場合

配偶者がいない場合、子(孫)>親(祖父母)>兄弟姉妹(甥姪)の順に相続権が優先します。

同じ準備の相続人がいる場合は頭数で割ります。

例えば配偶者がおらず子供が2名いる場合、子供の法定相続分は2分の1ずつとなります。

他の類似定義との違い

相続の分野には、法定相続分のほかに、推定相続、代襲相続、数次相続、半血相続、遺留分といった定義があります。

法定相続分と考え方が似ている点もあり、混同しやすいので詳しく解説します。

推定相続とは?

推定相続人、推定相続分とは、現在まだ対象者の相続が開始していない(亡くなっていない)ものの、現時点で相続が発生したときの相続人や相続分のことを、「推定」相続人や「推定」相続分と表現します。

法定相続と推定相続の違いは、実際に相続が起きているのが法定相続で、まだ未発生の相続に関する仮定の話が推定相続です。

代襲相続とは?

代襲相続とは、Xさんが死亡し相続が発生したとき、例えば子供Aが本来相続人であるところ、AがXよりも先に死亡しており、Aの子供BがXさんを相続するようなケースを指します。

本来相続人であった人の地位を、その子供等が代わりに相続人になることを代襲相続といい、先の例のBさんを代襲相続人と呼びます。

複数の代襲相続人が相続人になるケースでは、代襲相続人の法定相続分がより細かい割合になるため、法定相続分の計算が難しくなります。

数次相続とは?

数次相続とは、連続して相続が発生している状態を指します。

例えば、Xさんが死亡し、配偶者Yさんと子供のABが法定相続人の状態で、Aが死亡しAの子CDが相続人に加わることを指します。

このケースではXの法定相続人はY、B、C、Dの4名となり、この法定相続分は8分の4、8分の2、8分の1ずつとなります。

数次相続は、先ほどの兄弟姉妹の代襲相続のような制限がないため、時間の経過とともにどんどん数次相続が発生していくことになります。

長年放置している相続や、法定相続人が多い相続がなかなか解決できない理由の1つに、数次相続が発生して相続人が増えていくことが挙げられます。

相続は、放置していても解決しないばかりか、数次相続により登場人物が増えていきますので、早く専門家に相談しましょう。

半血相続とは?

半血相続とは、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹が相続人になることを証する俗語です。

民法に半血相続という文言は出てこず、あくまで便宜上使用される呼び方です。

具体的には、配偶者、子供、親いずれもいないXさんが亡くなると、法定相続人はXさんの兄弟姉妹になります。

このとき、Xさんと父母を同じくする兄弟ではなく、異母兄弟、異父兄弟も相続人になりますが、「父母の一方を異にする兄弟の法定相続分は、父母を共にする兄弟姉妹の法定相続分の2分の1とする」とされています。

父母の一方を異にする兄弟が相続人になることを、半血相続と呼びます。

遺留分とは?

相続人に認められた、最低限の金銭的利益のことを遺留分と呼びます。

遺言などでまったく取り分のない相続人がいたとしても、他の相続人に対して最低限の金銭を請求できる権利が保証されており、これにより相続人同士の公平を図る目的があります。

法定相続分と遺留分の違いは?

法定相続分は、遺産分割協議や遺言書がない状態の相続人が法律上認められている取り分のことです。

遺留分は、相続人が最低限請求できる金銭的利益のことで、遺留分が問題になるのは主に遺言書などで相続人間の取り分に大きな差が生じた場合です。

具体的な遺留分の計算方法は?

遺留分は、法定相続分に遺留分率を乗じた割合で算定されます。

民法第1042条

1項 遺留分率:直系尊属のみが相続人のとき 1/3

     上記以外のとき 1/2

2項 遺留分権者が複数いる場合は、上の遺留分率に法定相続分を乗じた数

遺留分についての詳しい解説はこちら

法定相続分など相続手続きを専門家に依頼するメリット

法定相続分は民法で規定されていますが、記事で紹介した事例のほかにも、相続放棄などの事情によって計算の仕方が変わります。

相続が発生しているときは相続の専門家に依頼していただくことで様々なメリットがあります。

1.法定相続分や法定相続人を判断してもらえる

法律に詳しくない方が法定相続分を計算することは簡単ではありません。

相続の専門家に依頼いただければ法定相続人が誰で法定相続分がいくらなのかをしっかりと判断します。

2.相続手続きを任せられる

相続の専門家であれば、法定相続分の計算だけでなく、法定相続人の調査、遺言書の調査、財産調査、不動産の相続登記など、相続手続きを一括して任せることができます。

3.相続に関する具体的なリスク、紛争回避方法などを聞ける

相続の専門家にご相談いただければ、相続に関する具体的なリスク、費用、時間、紛争の可能性や回避策まで幅広い知識の提供を受けることができます。

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