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仲の悪い疎遠な親族と絶縁する方法。相続への影響など

2023 11/17
仲の悪い疎遠な親族と絶縁する方法。相続への影響など

何らかの原因や長年の不満が積もり積もって親族間の関係が絶縁になる方は意外とおられます。

しかし疎遠になったり絶縁状態の親族がいると、相続の場面では争いになるリスクが非常に高くなります。

仲の悪い疎遠な親族と絶縁する方法、死後離縁、姻族関係終了届、関係ごとの相続への影響や注意点をわかりやすく解説します。

目次

仲の悪い疎遠な親族と絶縁する方法がある?

親子、兄弟姉妹、親戚、など、血縁関係にある親族であっても仲が悪い、疎遠になっている、あるいは絶縁している方は少なくありません。また、離婚していないものの関係が破綻しており長年別居している夫婦もいます。

絶縁するほどの状態ですから、どちらかが相手に対してマイナスの感情を抱えていることがほとんどで、無理やり関係を修復するよりも、絶縁してお互いに関わらない方が精神衛生上良いと考える方も多いでしょう。

法的に絶縁する(親族関係や兄弟関係を切る)方法があるかどうかですが、残念ながら現在の法律では法的な効力をもって「絶縁する」ことはできません。

数十年、あるいは生まれてから一度も会ったことのない親族だとしても、物理的に絶縁することは出来ても法的な絶縁はできず、場合によっては相続人として接触を図らなければならないこともあります。

夫婦や養子縁組の関係

夫婦は血縁関係にはないため離婚すれば関係を断つことができ、かつ離婚後はお互いが相続人にもならないため、血縁関係のある兄弟姉妹よりもある意味簡単かもしれません。

また、養子縁組をした養親と養子の関係であれば、「離縁」届出をすれば法的な親子関係を終了することができますので、夫婦と同じようにその後お互いが相続人ではなくなります。

夫婦に死後離婚はないが、養子縁組は死後離縁がある

婚姻関係にある夫婦の一方が死亡したとき、死亡後に相手方と離婚する方法はありません。

しかし、同じ法的な親族関係である養子縁組は、養親と養子の一方が死亡したとき、もう一方の当事者は裁判所の許可を得て離縁することができます。これを死後離縁と呼びます。

死後離縁をすることで、養方との親族関係が終了するため、扶養義務や相続権を失いますが、既に発生した相続については相続人となります。

義理の親子:姻族関係終了の意思表示

夫婦は一方が死亡した後に離婚することはできませんが、相手方の親や兄弟(姻族)との関係を終了することができます。これを姻族関係終了の意思表示と呼び、姻族関係終了届を提出することで法的な姻族関係が終了します。

民法では、同居の親族は互いに扶助する義務がありますので、義理の親、義理の兄弟と同居している場合は相互扶助の義務が生じます。

義理の親、義理の兄弟と仲が悪く、できれば絶縁したいと考えている方は、配偶者の死亡をきっかけに絶縁(姻族関係を終了)することができます。

これは配偶者が死亡した場合の夫妻のみ行うことができ、期限はありませんのでいつでも姻族関係を終了させることができます。

姻族関係を終了することで親族でなくなるので、扶助義務などの法的な制限から解放されます。

絶縁状態の親子、兄弟姉妹で考えるべき相続

仲が悪く疎遠または絶縁状態の親子、兄弟姉妹、親族で考えるべき相続は次の3パターンです。

(1)自分の相続人になってほしくない
(2)自分が相続人になりたくない、関わりたくない
(3)絶縁状態の親子、兄弟姉妹、親族だけを相続人から除外したい

それぞれのパターンに応じて取れる手続などを解説します。

(1)自分の相続人になってほしくない

ご自身が亡くなったときに絶縁になっている子供や兄弟姉妹が自分の相続人になることを望まない場合、取りうる対策は遺言書の作成か、相続人の廃除です。

先ほど解説したように絶縁状態であっても法律上は関係が切れていないことになるため、自分が何もせずに亡くなると、絶縁している人も相続人になってしまいます。

相続人が複数いる場合は相続人全員の話し合いが必要になりますし、一定割合の権利を取得するため、絶縁している人も自分の財産をいくらか相続できてしまうことになります。

遺言書

遺言書は財産の帰属を定めた法的な書面で、有効であれば相続人の数、財産の金額などに関係なく、遺言書に書かれたとおりに遺産が相続されます。

絶縁になっている人に対して財産を渡したくない場合は、遺言書を作成することが有効な手段となります。

ただし、相続人には遺留分と呼ばれる権利がありますので、遺言書を作成する場合は遺留分にも考慮しつつ対策することが大切です。

相続人の廃除

相続人の廃除とは、ある方が亡くなる生前に、侮辱や暴言暴力などによって重大な虐待を受けた場合に、その加害者を相続人から強制的に廃除する手続です。

相続人の廃除ができるのは、虐待や侮辱を受けた方のみです。

相続人の廃除は、生前に裁判所に申し立てをするか、遺言書で廃除の旨を記載するかのどちらかです。

相続人の廃除をすることによって、絶縁状態の相手を相続人から除外することができます。

(2)自分が相続人になりたくない、関わりたくない

自分が絶縁状態の相手の将来の相続人であるとき、相続人になりたくない、関わりたくないのであればできる対策は次のようなものです。

相続放棄

仲の悪い疎遠な親族、親子、兄弟姉妹と絶縁する方法にもっとも近いのが、相続放棄です。

相続放棄とは、ある方が亡くなり、自分がその相続人になっている場合で、亡くなった方の財産や借金など受け取る権利(相続人としての立場)すべてを放棄する法的な手続です。

相続放棄ができる範囲

相続放棄は死亡後しかできない

相続放棄は自分が相続人となっている方が亡くなったあと3か月以内にしか手続できません。
つまり、絶縁状態であったとしても親の死亡前(生存中)に子供は相続放棄することができません。

自分が相続人に該当する場合しか相続放棄できない

相続放棄はその名のとおり「相続」する権利を「放棄」する手続きです。
自分が相続人に該当しないかぎり、相続放棄をすることはできません。

相続分の放棄、相続分の譲渡

相続分の放棄、相続分の譲渡とは、自分が相続人として持つ相続分を放棄したり、売買や贈与によって他の相続人に譲り渡すことを言います。

相続放棄との違いは、相続放棄がプラスの財産マイナスの財産すべてを放棄して相続人ではなくなる手続であるのに対し、相続分の放棄、相続分の譲渡は、相続人であることを前提として、その権利を他の相続人に移転させる手続です。相続分の放棄、相続分の譲渡はプラスの財産に対して適用され、債務については逃れることができません。

(3)絶縁状態の親子、兄弟姉妹、親族だけを相続人から除外したい

絶縁状態の子供、兄弟姉妹だけを相続人から外したい

仲の悪い疎遠な子供、兄弟姉妹だけを相続人から外し、相続権を失わせたい場合は相続人の廃除を検討することになります。
相続人の廃除は先ほど説明したとおりです。

問題点として、相続人の廃除は被相続人となる方のみができる手続であるため、亡くなった方が廃除の意思表示をしていない限り残された相続人が廃除することはできません。

絶縁状態の兄弟姉妹との相続手続

例えば親が亡くなり、自分と絶縁状態の兄弟が相続人になったとき、通常の相続とは比較にならないほど大変な時間、労力、精神的負担がかかります。

遺言書がなければ遺産分割協議

遺言書のない相続で相続人が複数人いるとき、相続人がどの財産をどの程度相続するのかを決めるために話し合い(遺産分割協議)が必要になります。

遺産分割協議をせずに法定相続で手続きを進める方法もありますが、いずれにしても絶縁している相続人と何らかの形で連絡をとり、協力することになります。

絶縁している方がいる場合は司法書士に相談

仲が悪く疎遠になった親族、親子、兄弟姉妹と法的に絶縁する方法はありませんが、遺言書の作成や相続人廃除、相続放棄など、一刻も早い対策が必要です。

相続や生前対策の専門家である司法書士に相談すれば、将来的な相続で起きるリスク、今すぐできる対策など法律に基づいた具体的な手続を相談できます。

また、既に起きている相続であれば絶縁している相続人の現在の住所の調査や、不動産の相続登記、遺産分割協議書の作成、遺産分割協議がまとまらない場合の裁判手続きまで一手に依頼することができます。

将来の相続や現在起きている相続で相談したい方は司法書士に相談してみましょう。

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