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権利書、登記済証、登記識別情報の違いは?再発行や紛失時の対応について

2023 11/12
権利書、登記済証、登記識別情報の違いは?再発行や紛失時の対応について

権利書、登記済証、登記識別情報とは、不動産の登記手続において必要な重要書類です。

現在は登記識別情報通知と呼びますが、昔は登記権利書、登記済み証などと呼ばれていました。

それぞれの特徴や違い、紛失時の対応や再発行が可能かを説明します。

目次

登記済証、権利書とは

不動産の名義人になった人に対して交付される書類のことで、通常は不動産を取得した際の売渡証書や登記申請書などの書類の末尾に法務局が赤いハンコを押印しています。

法務局が押印した赤いハンコには、「受付年月日、受付番号」が記載されており、この日付と番号が不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)にも記録され、所有者であることを証明してくれる重要な役割をもっています。

登記識別情報とは

平成17年に不動産登記法が改正され、それまで書類ベース(手書き)だった不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)がデータで管理されるようになりました。

それに伴い、登記済証や権利書も電子化され、「登記識別情報通知」と呼ばれる書類が発行されるようになりました。

つまり、登記済証・権利書と登記識別情報通知はともに権利を証明する重要な書類であり、発行された時期が違うだけで本質的にはどちらも同じ書類です。

登記識別情報通知はA4用紙1枚ものでできており、下部に袋とじ(マスキング)がされています。この袋とじの中は12桁の英数字が表示されており、キャッシュカードやクレジットカードの暗証番号と同じく他人に盗み見られると悪用されるおそれがありますので、取り扱いに注意を要します。

登記済証・権利書と登記識別情報通知は何が違う?

登記済証・権利書と登記識別情報通知の共通点、相違点をまとめます。

共通点

権利関係を証明する重要書類

登記済証・権利書と登記識別情報通知はいずれも登記権利関係を証明する重要な書類です。

不動産の取引や権利関係の登記の際にはほぼ間違いなく使用する書類で、登記手続においてもっとも重要な書類と言っても過言ではありません。

失くすと再発行ができない

登記済証・権利書、登記識別情報通知のいずれも一度紛失すると再発行できません。

紛失している場合は特別な手続きが必要

登記済証・権利書、登記識別情報通知を紛失した状態で登記の手続きをする場合、司法書士のみが作成することができる本人確認情報という書類を活用することになります。

または事前通知制度、前住所通知制度という特別な手続きを活用して登記することになります。

相違点

発行される通数

登記済証・権利書は申請書に記載された土地建物、名義人の数に関係なく1枚の申請書に法務局が1つの赤いハンコを押印します。

その中の一部の土地だけを売却する場合はその登記済証・権利書を使用しますが、残りの土地の登記済証・権利書としても依然有効ですので、大切に保管し続けることになります。
また、所有者が複数いても1つの申請で1枚しか発行されないため、共有者の1名が代表して保管することになり管理が他人任せになってしまう問題点があります。

登記識別情報通知は申請の「不動産ごと」「人ごと」に発行されます。

つまり、不動産が土地と建物の計2筆で名義人がABの2名であるとき、登記済証・権利書であればまとめて1枚しか交付されませんでしたが、土地につきAとB、建物につきAとBそれぞれに登記識別情報通知が発行されるため、合計で4枚の登記識別情報通知が発行されます。

従来の登記済証・登記権利書と違いAとBが個別に管理できますし、建物だけを売却したい場合は建物の登記識別情報通知だけを使用すれば良いため、紛失のリスクも低くなりました。

提出は原本必須か否か

登記済証・権利書は申請のたびに原本を提出しなければならず、コピーを持っていても何の意味もありません。

登記識別情報通知は袋とじや折り込みで隠された12桁の英数字が意味を持ちますので、その英数字が正しければコピーでも便箋の裏に書いたものであっても使用できます。

登記済証・権利書、登記識別情報通知は誰に交付される?

登記済証・権利書、登記識別情報通知は新たに登記名義人となった方に対して交付されます。

典型的な場面としては、
不動産を購入した
不動産を相続した
抵当権を設定した
ケースで交付されます。

登記済証・権利書、登記識別情報通知はいつ使う?

登記済証・権利書、登記識別情報通知は不動産の権利に関する重要な登記手続の場面で使用します。登記は、通常権利を取得する人と権利を失う(あるいは損をする)人が存在します。

権利を失う、または損をする人が自分の意思で登記をしているという証明と、その不動産が自分の所有であることを証明するための証拠として登記済証・権利書、登記識別情報通知を提出します。

登記済証・権利書、登記識別情報通知を使用する場面は、すなわち登記を申請する場面であり、そのほとんどで司法書士が関与します。

登記済証・権利書、登記識別情報通知を紛失したら再発行できる?

登記済証・権利書、登記識別情報通知は一度紛失すると再発行できません。

登記識別情報通知の場合、12桁の暗証番号さえ分かっていれば紛失したことにはならないため、登記済証・権利書と比較すると紛失のリスクは低く管理しやすいと言えます。

登記済証・権利書は申請書ごとに発行されてしまうため、家族や兄弟を代表して権利書を保管していた人が紛失してしまい、他の方に迷惑がかかるということが珍しくありません。

登記済証・権利書、登記識別情報通知はどこでもらえる?

登記済証・権利書、登記識別情報通知は法務局で交付されます。

法務局は全国にありますが、不動産を管轄する法務局は決まっているため、不動産所在地を管轄する法務局でもらうことになります。
登記済証・権利書、登記識別情報通知がもられるのは、新しく登記名義人になる登記をするときのみです。

つまり、不動産を購入したり、相続登記をして新たに不動産の所有者になる瞬間のみ交付される書類で、あとからもらいに行くことはできません。

登記識別情報通知の袋とじや折込式は開けて良い?

登記識別情報通知に記載された12桁の英数字は、銀行のキャッシュカードやクレジットカード暗証番号と同じく、他人に見られると盗まれたのと同じ意味を持ち非常に危険です。

登記識別情報通知を開封する瞬間は司法書士や弁護士が関与する場面ですので、できるだけ開封せずに厳重に保管するようにしましょう。

登記済証・権利書、登記識別情報通知を盗まれたときどうすれば良い?

登記済証・権利書、登記識別情報通知を紛失したり盗まれたからと言って、権利がなくなるわけではありません。

登記済証・権利書、登記識別情報通知が必要な手続は、たいてい不動産の所有者の実印と印鑑証明書と同時に要求することが多いため、盗まれて直ちに悪用される可能性は高くないかもしれませんが、印鑑を偽造されて不正利用される事件も起きているため、万が一登記済証・権利書、登記識別情報通知を盗まれた場合は直ちに法務局に届出をしましょう。

不正登記防止申し出を活用

不正登記防止申出制度は,不正な登記がされる差し迫った危険がある場合に,申出から3か月以内に不正な登記がされることを防止するための制度です。

この申出をすることにより,申出から3か月以内に登記が申請された場合は申出をした方にその登記が申請された旨が通知されますので、身に覚えのない登記がされることを防止することができます。

不正登記防止申出の手続は申出人(登記名義人等)本人が登記所に出頭することを原則としていますが,本人が登記所に出頭することができない止むを得ない事情があると認められる場合には,司法書士などの代理人が登記所に出頭してすることもできます。

登記済権利証・登記識別情報通知を使用するときは司法書士に相談

登記済権利証・登記識別情報通知を使用するのは、不動産を売却するとき、贈与するとき、お金を借りて不動産に担保を設定するときなど、自分が不動産の権利に関して不利益を被るときです。

これらのときは登記申請が必要となり、登記は司法書士が専門家ですので、登記済み権利証・登記識別情報通知が必要になった場合は司法書士に手続きを相談しましょう。

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