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寄与分、特別の寄与とは?

2023 10/25
寄与分、特別の寄与とは?

相続においては、亡くなった被相続人の生前に一定の貢献をした相続人が、本来の相続分を超えて財産を承継できる制度として、寄与分があります。

寄与分とはどんなときに認められるのか、対象者、寄与行為に該当するものなどをご説明します。

目次

寄与分とは

寄与分とは、亡くなった被相続人の生前に一定の貢献をした相続人が、本来の相続分を超えて財産を承継できる制度を指します。

寄与分が認められる人

寄与分が認められるのは、相続人だけです。

義理の母を介護した嫁や、内縁関係の配偶者は相続人ではないので寄与分が認められません。

ただし、相続人ではない人の寄与行為が、特別の寄与として認められることはあります。

寄与分が認められる要件

寄与分がどんなときに認められるかについては、要件があります。

(1)ほぼ無償であること

寄与行為は原則として無償である必要があります。

行為の対価として金銭を受け取っている場合は寄与分は認められません。

しかし、まったくの完全に無償であることは稀で、何らか対価を受け取っていることもお送ります。例えば、仕事や介護に従事している際に食べ物やお礼をもらうこともあります。

無償ではない場合は、一般的にその対価が社会通念上の労働の対価と比較して大きいか小さいかで判断します。

(2)財産の維持、増加に貢献したこと

寄与行為の結果、被相続人の財産の維持や増加に貢献していることが必要です。

いくら寄与行為をしたとしても、被相続人の財産の維持や増加に貢献していない場合は寄与分が認められません。

財産の維持とは、相続人による介護や無償労働によって、本来であれば発生していた支出を減少させたりした場合に認められます。

財産の増加とは、例えば金銭を貸し付けたり、家業を手伝って売り上げを増加させたりすることを指します。

具体的な例は後述します。

(3)通常の範囲を超えた寄与であること

夫婦や同居親族の扶養義務など、行うことが想定されるレベルを超えた寄与である必要があります。

単に親の介護をしている範囲にとどまらず、その行為が通常期待される扶養義務の範囲を超えた特別な寄与であるときに、はじめて寄与分が認められます。

(4)継続していること

寄与行為が短期間にとどまらず、反復継続して行われていることが必要です。

一般的には3年程度継続して寄与行為がされていると寄与分が認められやすくなります。

特別の寄与とは?

通常の寄与では、義父母の世話をした者が寄与分を主張することができませんでしたが、法改正により、被相続人の親族であれば特別寄与料として寄与分を主張することができるようになりました。

特別寄与料を主張できる人

親族とは、配偶者、3親等内の姻族、6親等内の血族を指します。

つまり、夫の両親を世話した人や、叔父叔母の世話をした甥姪は特別寄与料の主張ができることになります。

一方で、特別寄与料は親族に認められた制度なので、内縁関係の相手が死亡したときに特別寄与料を請求することはできません。

寄与分はどうやって主張する?

(1)遺産分割協議

寄与分は、まず遺産分割協議で主張することが大原則です。

つまり、相続人同士の話し合いの中で、「自分はこれだけ被相続人に貢献した」ということを話し、他の相続人の同意を得て、相続の取り分を認めてもらう方法です。

この方法がもっとも早く、余計なお金がかかりません。
さらに、相続人の関係が良好であれば、理解を得られやすいことが特徴です。

(2)遺産分割調停

遺産分割調停とは、相続人の自由な話し合い=遺産分割協議がまとまらない場合に、裁判所を通して話し合いをする制度です。

寄与分のほかに、誰が相続するのか等の協議がまとまらないときは、遺産分割調停の中で寄与分を主張することになります。

ただし、遺産分割の調停は裁判所の調停委員が関わるものの、あくまで任意での話し合いのため、話し合いがまとまらなかったり、そもそも調停に出席しない相続人がいたりします。
このような場合は、次の遺産分割の審判に移行します。

(3)遺産分割の審判

遺産分割の審判とは、遺産分割の調停がまとまらないときに自動的に移行する手続です。

寄与分を認めてもらいたい場合は、この審判の中で主張していくことになります。

遺産分割の審判は、判決と同じように裁判所が最終的な取り分を決定し、強制力があります。

寄与分が認めれたケース

(1)相続人の妻が義親の介護を13年以上にわたり続けたケース(療養看護)

被相続人Aの相続人Bの妻Cが、13年以上にわたり無償で入浴や食事の世話を日常的に継続したことが、「本来家政婦などを雇ってAの看護や介護に当たらせることを相当とする事情の下で行われたものであり、同居の親族の扶養義務の範囲を超え,相続財産の維持に貢献した」として200万円の寄与が認められました。

(2)農業に従事し、農地を荒廃させずに維持したケース(家業従事)

相続人である子が、20年以上にわたり積極的に親の農業に従事し、農地の荒廃を防ぎ維持したことが寄与にあたるとされました。ただし、直近の確定申告状況が赤字であったことから、相続財産の減少を食い止めてはいるものの、増加には寄与していないともされています。

(3)被相続人の主な財産が、相続人が贈与した不動産のみのケース(金銭的出資)

被相続人の主な財産が、生前に相続人である子から贈与を受けた不動産のみで、被相続人がその不動産の価値を維持または増加させていないケースでは「相続人の贈与は寄与に該当し、その寄与分は100%である」として、その代襲相続人らに寄与分が認められました。

寄与分が認めれなかったケース

(1)同居の相続人が2年間付き添い、通院や介護をしてケース

被相続人の相続人である子が、同居しながら週に1回ないし2回程度の通院や日常的な介護に従事した場合、「同居の親族の扶養義務を超えるものではない」として寄与分が認められませんでした。

(2)5年以上にわたり農業に従事したものの、相続財産が増加しなかったケース

相続人である子が、被相続人の農業に従事していたものの、その期間の売り上げが特に上昇したわけではない場合「相続財産の維持増加に寄与したとまでは言えない」として寄与分が認められませんでした。

寄与分を認めてもらいやすくするには

証拠が重要

寄与分を認めてもらいやすくするには、証拠が何より重要です。

特に、相続人同士の話し合いで解決せずに裁判所の調停や審判に移行する場合では、裁判所に対して自分の寄与分を客観的に評価してもらう必要があります。

寄与分の主張を認めてもらいやすくするには、毎日の寄与行為について細かく日記やメモにしておく等、客観的に評価可能な証拠を残しましょう。

また、介護などの無償提供は、本来であれば雇用しなければならない介護サービス、ヘルパー、家政婦などの支出を削減したと評価できるため、従事した介護労働が1日あたり何円の価値であるのか等を調査することも大切です。

専門家に相談

寄与分の主張をするときは、すなわち相続人同士の話し合いが生じるときです。

相続の専門家でる司法書士や弁護士に相談し、相続全体の流れやリスクなどをしっかり念頭に入れたうえで手続きしましょう。

専門家に依頼することで当然費用は生じますが、将来的な紛争リスクや寄与分が認められない危険性を考えると、先に少額の出費をして相談することが結果的にプラスに働くこともあり得ます。

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