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相続が始まったら必ず相続登記をしよう!
相続登記の基礎知識について

2023 8/07
相続が始まったら必ず相続登記をしよう!相続登記の基礎知識について

この記事では、相続登記を始めとする相続手続の基礎知識について、なぜ必要なのか、何が必要なのか、その手続きの流れなどを詳しく解説します。また、不動産相続や名義変更を法務局以外で行うことは可能なのか、相続登記が済んでいない不動産の利用が可能かなど、注意すべき点も解説します。具体的な手続きの流れや必要書類などを、お読みいただき、相続登記の手続きを確認していきましょう。

目次

相続登記とは

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ名義の変更を行うことをいいます。 
つまり、登記申請することによって、所有者が変わるということです。
従来、相続登記は義務ではなかったのですが、相続登記を義務化する改正法がすでに成立しており、2024年4月1日に施行されることになります。
改正法施行後は、相続によって不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
また、罰則以外にも、登記をしないでいると、デメリットがありますのでご注意ください。

 相続手続きをしなかった場合のデメリット

不動産の相続登記をしないリスク
預金の権利が失われるリスク
株式の名義変更をしないリスク
相続税の滞納状態となってしまうリスク
借金を相続してしまうリスク
遺留分侵害額請求ができなくなるリスク

1.不動産の相続登記をしないリスク
土地や建物、マンションやアパートなどの「不動産」を相続したら、法務局で「相続登記」をしなければなりません。相続登記は2024年4月から義務化されます。
また現時点においても、相続登記をせずに放置すると以下のようなリスクが生じるので注意しなければなりません。

1-1. 第三者に先に登記されるリスク
不動産を相続しても登記せずに放置して先に第三者(債権者など)に登記されてしまったら、その第三者へ法定相続分以上の権利を主張できなくなってしまいます。

1-2. さらに相続が起こって権利関係が複雑になる
相続登記せず放置している間に所有者が亡くなって2回目の相続が発生すると、相続権が次の世代(相続人の子どもなど)へ引き継がれます。
相続人が増えることで、遺産分割協議がまとまらない、未成年者、認知症、行方不明者の相続人の存在により手続が難航するリスクが増えます。

1-3. 相続登記が義務化
法律が施行されると基本的に「相続してから3年以内」に相続登記しなければ10万円以下の「過料」が科されます。

1-4. 放置した不動産で損害賠償請求されるおそれがある
空き家などの建物や倒木やブロック塀倒壊の危険がある土地を放置していると、他人に損害をかける可能性だけでなく、事故があった際、損害賠償請求が起こる場合があります。

1-5. 「特定空き家」に指定されると固定資産税減額がなくなる
建物を相続した場合、管理を怠っていると「特定空き家」に指定され固定資産税の減額措置がなくなる可能性があります。

2.預金の権利が失われるリスク
預金を相続した場合には、金融機関で名義変更をするか解約払い戻しを受ける必要があり10年間放置すると「休眠預金等活用法」が適用されます。
預金を相続したら、早めに金融機関で解約払い戻しなどの相続手続きをしましょう。

3.株式の名義変更をしないリスク
被相続人から株式を引き継いだら、株式の名義変更を行い、上場株式の場合には相続人名義の証券口座に株式を移行する必要があります。
5年間放置すると、株式発行会社から「株主所在不明」扱いになります。
株式に配当金がある場合、3年以上前の未受領配当金を受領する権限を失うことがあります。

4.相続税の滞納状態となってしまうリスク
遺産の価額が相続税の基礎控除を超える場合は、相続開始後10カ月以内に申告と納付が必要です。
期限をすぎると延滞税や不申告加算税がかかります。
相続税に関してきちんと対応しないと甚大なリスクが生じますので注意しましょう。

5.借金を相続してしまうリスク
被相続人が借金を残して死亡した場合にも要注意です。
負債を相続したくない場合には家庭裁判所で「相続放棄」または「限定承認」が必要です。
※参考:相続した財産を期限内に受け取るために

6.遺留分侵害額請求権ができなくなるリスク
相続権を大きく侵害されている相続人は、過剰に相続や贈与を受けた人間に対して遺留分侵害額請求をすることができます。
この権利は自分が相続人であり、かつ遺留分を侵害されていると知ってから1年以内に行使しなければ消滅してしまうため、相続手続を放置すると遺留分の主張ができなくなる恐れがあります。

相続登記にかかる費用は?

1. 登録免許税 固定資産評価額の0.4%

 土地と建物の評価額が合計1000万円の場合、登録免許税は4万円かかります。


2. 実費

戸籍 1通 450円
除籍・原戸籍 1通 750円
住民票 1通 300円
登記事項証明書 1通 600円

相続人の数が多い、本籍地を転々としている方などの事情で実費は大きく変わります。

そのほか、司法書士に登記を依頼する場合には司法書士の報酬が発生します。

費用は一般的なケースを想定しておりますので、具体的な金額等はご相談ください。

相続登記の手続きの流れ

お手続きの流れ
STEP
ご相談

ご希望の契約内容や親族関係、財産明細を伺います。
・1~2時間  

STEP
相続人調査、財産調査

財産やご親族の情報など、不足する情報をこちらで調査します。
1~4週間

STEP
相続人の確定、遺産分割協議書の作成
相続人を確定し、皆様で協議した内容をもとに協議書を作成します。
作成した協議書に皆様で署名、実印での押印をいただきます。
2週間~4週間

STEP
費用のお支払い

登録免許税など費用が確定しますので、費用をお振込みいただきます。

STEP
相続登記

協議書が整い、費用のお振り込みをいただきましたら、法務局に名義変更の申請をします。
1週間~2週間

STEP
新しい権利書の納品

相続登記が完了しますと、新しい権利書が発行されます。
権利書を郵送にてお送りして手続き完了となります。

相続登記申請に必要な書類

相続登記をするにあたって必要となる書類のなかでも、特に主要なものは以下のとおりです。

登記事項証明書
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
被相続人の住民票の除票
相続人全員の戸籍謄本
遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書
相続関係説明図
固定資産評価証明書
相続登記申請書
それぞれに解説していきましょう。

登記事項証明書
法務局に提出する相続登記申請書を作成する際には、不動産の正確な地番や家屋番号を記入しなければなりません。その確認のために必要なのが「登記事項証明書」です。これは「登記簿謄本」と基本的には同じものです(コンピュータ処理をしているものが登記簿事項証明書で、していないのが登記簿謄本です)。なお、登記事項証明書は提出する必要はありません。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
相続が発生したことおよび相続人にあたるのが誰なのかを証明するために必要な書類が「戸籍謄本」で、被相続人の出生から死亡までの連続したものを用意しなければなりません。戸籍は結婚や離婚、転籍、あるいは養子縁組をした場合など一生の間に複数つくられます。連続した戸籍謄本を確認することで相続人を確定することができるのです。
但し、遺言書がある場合など、被相続人の戸籍を一部省略できる場合があります。

被相続人の住民票の除票または戸籍附票
登記簿上の被相続人と戸籍上の被相続人が同一人物であることを証明するための書類の1つが「被相続人の住民票の除票」または「戸籍附票」です。被相続人の死亡時の住所と登記されている住所が違っている場合は、前の住所地で記録されている「住民票の除票」または「戸籍の除附票」によって住所が移転したことを証明する必要があります。

相続人全員の戸籍謄本
相続発生時に相続人が生きていることを証明するために用意するのが「相続人全員の戸籍謄本」です。被相続人の戸籍謄本は出生から死亡までが必要でしたが、相続人の場合は現在の戸籍だけでかまいません。
但し、遺言書がある場合などは、相続人全員ではなく相続人の一部の戸籍で足りる場合があります。

遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書
すでにふれたように、遺言によらない相続、つまり遺産分割協議によって法定相続分以外の相続の内容を決めたことを証明するためには「遺産分割協議書」が必要です。全員が合意したことを示すために、遺産分割協議書にそれぞれ相続人全員が署名をし、実印を押します。さらに「印鑑証明書」も添えます。
相続人に未成年者がいる場合は裁判所で特別代理人を選任しなければならず、認知症の方がいる場合は裁判所で成年後見人を選任してからでないと遺産分割協議をすることができません。

相続関係説明図
相続関係を説明するための図が「相続関係説明図」です。被相続人とそれぞれの相続人がどのような関係にあるのかがわかるようにした図で、家系図に似ています。この相続関係説明図を登記申請時に作成して提出すると、戸籍謄本の添付や還付がスムーズになります。

固定資産評価証明書
相続登記を行う際には「登録免許税」という税金を支払わなければなりません。税額は【相続登記をする不動産の固定資産評価額×0.4%】で算出しますが、ここで必要なのが「不動産の固定資産評価額がいくらなのか」ということです。その評価額を示すのが「固定資産評価証明書」です。提出する証明書は最新年度のものでなければなりません。
年度は毎年4月1日で変わりますので、3~4月頃に手続を進めている方は注意が必要です。

相続登記申請書
相続登記の申請に用いるのが「相続登記申請書」です。この書類は法務局で手に入りますし、法務局のホームページからもダウンロードすることができます。相続登記申請書は前述した相続のケースによって記入方法が異なるので注意が必要です。

相続登記を専門家に任せるメリット

1.時間と手間を省略できる
司法書士にご依頼いただければ、相続人調査(戸籍集め)、財産調査(不動産の情報や評価証明書の取得)、遺産分割協議書の作成(相続人の協議結果を書面として作成)、相続登記(法務局への書類提出)をすべて行いますので、相続人が平日に役所や法務局に相談に行ったり書類を集める負担が大きく減ります。

2.将来の相続に関する相談や対策を同時に行える
相続することで変化する今後の法律関係、遺留分や二次相続の注意点など、今回の相続手続だけでなく将来のことを見据えた法律相談を同時に行うことができます。

3.不動産売却や税金申告をまとめて相談できる
相続する不動産を売却したい、相続税の申告をしたい場合など、不動産業者や税理士に相談する内容は、専門家が信頼する各分野のプロを紹介しますので、まとめて相談することができます。

不安なことは、 一緒に、最適な相続対策を考えていきましょう。

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