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【相続】預貯金口座が凍結されるのはいつ?凍結口座の引き出す方法、やるべきことなど

2023 10/12
【相続】預貯金口座が凍結されるのはいつ?凍結口座の引き出す方法、やるべきことなど

相続が起きると、役所、銀行、法務局、税務署、年金事務所など、様々な場所で手続が必要です。

亡くなった方名義の通帳などで預貯金口座があることを把握している場合、預貯金の解約をすることになりますが、しっかりとした知識がないと、いきなり口座が凍結されてしまい、必要なお金が引き出せない状況になってしまいます。

目次

預貯金はなぜ凍結される?

相続によって預貯金が凍結されてしまうと、文字通りすべての入出金が停止されます。

これは、一部の相続人が勝手に預貯金を引き出すことで他の相続人の相続分がなくなってしまうなどの相続トラブルを予防、対応するためです。

相続人同士の仲が円満であったり、相続人が1人しかいないケースにとっては非常に不便ですが、相続トラブルを防止するために一律で凍結の措置がされます。

預貯金通帳はいつ凍結されるのか

相続が発生すると預貯金が凍結されますが、凍結されるタイミングはいつなのでしょうか?

多くの方は「相続が起きたとき=死亡届を役所に提出したとき」に凍結されると思っていますが、そうではありません。

預貯金が凍結されるのは、「金融機関が相続を知ったとき」です。

金融機関が相続を知ったときとは、具体的に次のようなケースです。

(1)銀行に死亡の連絡をしたとき

もっとも多いのが、銀行に死亡の連絡をしたときです。

窓口でも電話でも、相続人や関係者から銀行に対して口座名義人が死亡したことを伝えると、即座に預金が凍結されてしまいます。

(2)銀行が新聞などで死亡を知ったとき

新聞には故人が亡くなったことを知らせるお悔やみ欄があります。

金融機関がお悔やみ欄を見て、口座の名義人と同一人物と特定できる状態であれば、預貯金を凍結してしまいます。

また、一部上場企業の社長や著名人はニュースで報道されることもありますので、そういった場合も銀行は預貯金を凍結します。

(3)銀行が人づてに死亡の話を聞いたとき

地方の銀行、信用金庫、信用組合、JA農業協同組合など地域に密着した金融機関の場合、銀行の営業担当が雑談等で死亡の話を聞くこともあります。

このような場合も、金融機関は預貯金を凍結します。

(4)死亡時の残高証明書を請求したとき

相続では相続税の算定や明細の確認のため、口座名義人が亡くなった次点の残高証明書を取得することがあります。

税理士、弁護士、司法書士など相続の専門家が残高証明書の請求をした場合、同時に死亡を知らせることになるため、銀行は以降の取引を停止し口座を凍結します。

預貯金が凍結されない方法

先ほどのように金融機関が死亡の事実を知らなければ、預金が凍結されることはありません。

しかし、最終的には預貯金口座を解約しお金を相続するタイミングで、死亡を伝えることになるため、凍結されずに解約することは不可能です。

預貯金の凍結前にお金を引き出す方法

預貯金が凍結される前は、入出金ができる状態です。

窓口では本人確認が必要ですが、キャッシュカードがあり、ATMで暗証番号がわかるのであれば、通常どおり入出金ができます。

この方法で、亡くなった方の預貯金が凍結される前に葬儀代や入院費などを引き出す方も多くおられます。

しかし、たとえ相続人であってもキャッシュカードを用いて亡くなった方のお金を引き出すことは避けるべきですし、他の相続人との間でトラブルになります。

葬儀代や医療費等、故人のための支出で、どうしても預貯金が凍結される前に故人名義の口座からお金を引き出す場合は、他の相続人の同意を得たうえで、引出後のお金の使途がわかるメモや領収書を保管するなど、誰に対しても正当性を説明できるようにしましょう。

預貯金が凍結される前にしておいた方が良いこと

(1)通帳の記帳

預貯金が凍結される前に、ATMで記帳をして入出金の記録を確認しましょう。

預貯金の凍結後は、通帳の記帳でさえもできなくなることがあります。

(2)過去の通帳取引履歴の把握

直近だけでなく、繰越済みの通帳や過去の取引を遡り、亡くなった方の入出金の履歴を確認しましょう。

年金や公共料金など、頻繁に行われる入出金は履歴を見なくてもある程度わかりますが、年に1回しか引き落としのない取引などを見落としてしまうことがよくあります。カード年会費、墓地管理費、年払いの保険等です。

また、過去の履歴を確認することは、相続税の申告が必要な方にとっても重要です。

過去に行った贈与が特別受益に該当したり、みなし相続財産として「持ち戻し」という適用がされる可能性があるからです。

(3)公共料金など引き落とし口座の変更

預金口座が凍結されると、入出金のすべてが出来なくなります。

ご夫婦など生活を共にする方の相続で困るのが、預金口座が凍結されることで公共料金や保険料など定期的に支出しているお金の自動引き落としが出来なくなることです。

代表的なものは水道、電気、ガスの公共料金のほか、携帯電話、インターネット、新聞、NHK、サブスク、クレジットカード、学費などがあります。

また、保険については火災保険、医療保険、養老保険や医療保険、個人年金として積み立てている外貨建て保険などがあります。保険については一定期間払い込みができないと強制的に解約となってしまう恐れがありますので、預金が凍結される前に引き落とし口座の変更や支払方法を振り込みに変更するなどで対応する必要があります。

(4)配当、家賃駐車場収入などの管理

預金が凍結されると支出だけでなく入金も停止されます。

主な入金として年金がありますが、年金は役所への死亡手続きと同時に年金事務所で停止をし、最後の1か月~2か月分の未支給年金を相続人(配偶者等)の口座に振り込んでもらうことになります。

その他の入金は、株式の配当、投資信託の分配金、家賃や駐車場などの賃貸物件の収入があります。株式や投資信託であれば証券会社で相続の手続きが必要となり、未収の配当金があれば別途請求することになります。未収配当金の権利は3年で消滅するため、株式に関して相続が発生している場合はなるべく早めに手続きをすることが重要です。

家賃や駐車場収入であれば賃借人に対して振込先口座の変更等を通知します。

場合によっては手渡しや、数か月留保してもらうこともありえるでしょう。

預貯金が凍結された後にお金を引き出す方法

法定相続人が複数いる場合、本来であれば預金を解約してからでしか凍結された預金を引き出すことはできないのですが、法定相続人であれば、一定の金額については解約しなくても引き出すことが可能です。

つまり、法定相続人の間で話し合いができていない段階でも、凍結されたお金を引き出すことができます。
これを、預貯金の仮払い制度といい、民法改正により創立された制度です。

具体的には、法定相続人が各金融機関につき法定相続分の3分の1または150万円を上限として、引き出すことが可能です。

例えば、被相続人Xについて300万円を預けている口座が凍結された態で、相続人が子供ABCの3名だとします。ABC3名の法定相続分は100万円ずつです。

このとき、相続人AはBCの協力や話し合いができていなくても、銀行の指定する書類さえ提出すれば、法定相続分100万円の3分の1に相当する33万円を限度として、凍結された被相続人Xの銀行口座からお金を引き出すことができます。

仮払い制度により、急な葬儀費用や病院施設費用を賄うことができます。

預貯金が凍結された後、解約解除する方法

凍結された後の預金口座を解約解除するには、相続手続きが必要です。

相続手続きに関する具体的な必要書類は、(a)遺言書を提出する(b)法定相続人全員が法定相続分で相続する、(c)遺産分割協議書を提出する、のいずれかによって変わってきますが、一般的には

・亡くなった人の出生~死亡までの連続した戸籍
・相続人全員の戸籍
・相続人全員の印鑑証明書
・銀行所定の届出書
などが必要となります。

相続直後にかかるお金

相続が発生すると、あらゆる場所でお金の問題が出てきます。

相続が起きたあと、主なものでも次のようなお金の問題がでてきます。

葬儀

相続が起きたら、まず最初に葬儀をどうするか、の問題があります。

故人が生前に契約していたり、エンディングノート等に葬儀の内容について希望を記載していなければ、相続人が話し合って葬儀の内容を決めることになるかと思います。

葬儀の内容、規模、場所、誰に連絡するのか、という問題も当然ありますが、「葬儀代をどれぐらいで、誰がお金を払うのか」という問題があります。

未払の入院費、施設費

故人が自宅で亡くならないかぎり、病院代や施設費用がかかっていますので、最後の支払日~亡くなる日までの入院費や施設費用を支払うことになります。

ただし、これらは敷金(前払い金)としていくらか先に支払っている場合もありますので、前もって支払っている場合は自動的に清算されます。

残置物撤去費用

故人が住んでいた家が賃貸である場合、自宅解約と同時に残置物の撤去費用が発生します。

相続手続きを司法書士に依頼するメリット

必要な書類と情報収集、調査、手続が素早く正確

相続専門の司法書士が、相続手続きに必要な情報、書類の調査や収集を素早くかつ正確に行いますので、相続財産の詳細がわからない、数が多いという方も安心してお任せいただけます。

余計な時間、労力を減らして心身に余裕ができる

相続はただでさえ心労に大きなご負担がかかります。
葬儀や親族への連絡、役所への手続など、頭が真っ白の状態で次から次へとやるべきことに追われます。

そのうえ、相続手続きは相続人の数、状況、相続財産の金額によって行う内容、集める書類等が大きく変わります。しかも、必要な書類は平日の日中にしか開いていない役所や法務局で集めなければならず、お仕事やお忙しい方にとっては大変な負担です。

相続の専門家にご依頼いただれけば、相続人の事務的なご負担を減らしますので、心身に余裕が生まれます。

法的なリスク、対策などを聞ける

相続手続きは順序や方法を間違えると、相続トラブルとなってしまう可能性があります。

ご相談いただくことで、法的なリスクだけでなく、将来的な対策を踏まえた相続手続きが可能です。

節税につながる

相続手続は、同じ相続でも財産の承継の仕方や手続きの仕方によって、税金に大きな差が生まれることがあります。

相続の専門家に相談するか否かで、100万円以上の差が生まれることも良くあります。

相続の専門家に依頼すれば報酬がかかりますが、それ以上の税金の差が生まれ、結果的に専門家報酬を大きく超える節税につながることもあります。

他の専門家にまとめて依頼できる

相続の手続きの中で、相続した不動産を売りたい(司法書士と不動産会社)、相続税の相談をしたい(司法書士と税理士)、もめている相続の代理人になってほしい(司法書士と弁護士)、家を取り壊したい(司法書士と土地家屋調査士と解体業者)など、ご相続の状況に応じて様々な専門家に横断的な依頼が必要になることがあります。

相続の専門家にご依頼いただければ、信頼できる他の専門家を紹介し、まとめて手続きを進めることができますので、「誰に何を相談すれば良いのだろう」といった悩みが解消し、他の専門家を探す必要がありません。

ご相談フォームはこちら相談無料。お気軽にご相談ください

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