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銀行預貯金の相続、解約方法

2023 11/20
銀行預貯金の相続、解約方法

相続でほぼすべての方に共通する手続の1つが、銀行預貯金の解約です。

相続が起きたことを銀行に知らせた時点で預貯金の入出金は凍結されてしまい、引き出すためには相続手続きが必要になります。

ほぼすべての人が行うことになる預貯金の相続手続解約方法を解説します。

目次

1.必要書類の収集(事前準備)

銀行の預貯金解約手続きでは、後々必要になる書類があります。

前もって準備しておくことで、預貯金の解約がスムーズに行えます。

亡くなった方が遺言書を作成しているか、相続人が複数いる場合に遺産分割協議をするか等によって必要な書類の範囲が変わりますが、共通して必要になる書類は主に次のものです。

①被相続人(亡くなった方)の出生~死亡までのすべての戸籍
②相続人全員の現在の戸籍
③相続人全員の印鑑証明書(6か月以内の原本)

具体的なケースごとに集める書類をまとめると次の表になります。

遺言書あり遺言書なし
遺産分割協議あり
遺言書なし
遺産分割協議なし (法定相続)
亡くなった方の 出生~死亡戸籍△(亡くなったことがわかる除籍)
相続人全員の戸籍△(預貯金をもらう人だけ)
相続人全員の 印鑑証明書△(預貯金をもらう人だけ)
遺産分割協議書××
遺言書××

遺言書がある場合

遺言書がある場合は、相続手続きで必要になる書類の数が大幅に減ります。

具体的には、集める戸籍が亡くなった方の死亡がわかる除籍、預貯金をもらう人の戸籍だけで済み、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍や他の相続人の戸籍と印鑑証明書を取得する必要がなくなります。

遺言書がない場合

遺言書がない場合の預貯金の相続は、相続人全員が法定相続で取得するのか、それとも遺産分割協議(相続人同士の話し合い)で法定相続以外の割合で預貯金を相続するのかによって書類が変わります。もっとも大きな違いは遺産分割協議書を提出するか否かです。

2.銀行への連絡

必要書類を集めた後は、銀行に相続が発生したことを連絡します。
銀行は、死亡の事実を知った時に即座に口座を凍結(ロック)してしまいます。

銀行預金が凍結されると、入出金のすべてが停止され、相続手続きをしなければ例え配偶者であっても預貯金の引出ができなくなります。
銀行に連絡をして預貯金が凍結されてしまう前に先ほど説明した預貯金の相続手続きで必要な書類を準備しておくことにより、預貯金を早く解約して相続人の口座に移すことができます。

連絡方法は、大手銀行(三井住友、三菱UFJ、みずほ)はインターネットの専用ページから相続の届出をします。それ以外の地方銀行、信用組合、信用金庫などは口座のある支店に直接連絡をします。

3.銀行の予約、相続依頼書の取り寄せ

金融機関によって対応は様々ですが、大手銀行(三井住友、三菱UFJ、みずほ)や中規模の銀行は郵送でやり取りすることが多く、「相続手続き依頼書」や「相続届出書」といった用紙を相続人の住所に郵送します。

地方の小規模銀行や信用組合、信用金庫、JAなどの場合、原則として口座のある支店か最寄りの支店の窓口に来てほしいと言われる場合があります。

しかし、相続人が全員遠方に居住していることも多く、何度も足を運ぶのはあまりに非効率です。

金融機関の電話担当者から支店に直接来るように言われても、遠方だから行くことが難しい旨を伝えると、郵送でのやり取りに切り替えてもらえることもあるので、まずは郵送でのやり取りができないか打診しましょう。

なお、ゆうちょ銀行の場合、郵送で送られた書類に記入して窓口に持っていく作業を2回繰り返すことになります。

4.書類の記入、押印

金融機関から「相続手続き依頼書」や「相続届出書」といった書類が送られてきたら、該当箇所に必要事項を記入し、実印を押印します。

相続手続依頼書や相続届出書は、主に次の内容を記入します

①亡くなった方の住所氏名、生年月日、死亡日
②相続人の住所氏名
③解約する預貯金の口座番号、支店名
④預貯金を相続する相続人の氏名
⑤受け取り方法(解約、口座の名義変更)

相続手続依頼書や相続届出書は、相続人がそれぞれ自署し実印で押印するように記載がされており、そのとおりに相続人全員が署名押印することもありますが、遺産分割協議書で預貯金を相続することになった相続人だけの書面押印で手続ができることもあります。

金融機関によってそれぞれ扱いが異なるため、同封される記入例を参考に記名押印しましょう。

5.必要書類の提出

同封されている返信用封筒で返送します。

金融機関によって異なりますが、このときに事前準備で集めた戸籍や印鑑証明書などの必要書類を郵送するか、いったんは「相続手続き依頼書」や「相続届出書」だけを送付し、その後送られてくる必要物一覧の案内用紙とともに郵送することになります。

6.銀行から届いた書類への記入と再郵送

相続手続き依頼書や相続届出書に記載した預貯金の相続人の数や受け取り方法によって、金融機関から新たに書類が郵送されてきます。

預貯金を解約する場合は振込用紙、口座変更をする場合は口座を引き継ぐため相続人の記入用紙が郵送されます。

ゆうちょ銀行を除く金融機関は解約する金銭を他行に振り込むことができますが、ゆうちょ銀行だけはゆうちょ銀行にしか解約金を振り込みができず、預貯金を相続する相続人がゆうちょ銀行に口座を持っていない場合は現金で受け取るか新たに口座を開設する必要があります。

7.銀行預貯金の解約、受取

振込用紙や口座の引継ぎ用紙に記入のうえ郵送して数週間から1か月程度で、亡くなった方の口座が解約され相続人が預貯金を取得します。

8.預貯金を相続して解約するときの注意点やポイント

(1)銀行に連絡する前に引落口座の変更

銀行に相続が起きたことを連絡すると、直ちに口座が凍結されてしまい、解約するまで入出金ができなくなります。
亡くなった方の口座から公共料金や固定資産税などの引き落としがされている場合は、事前に引き落とし口座を変更しておくと良いでしょう。

(2)必要書類を事前に集める

金融機関は何十ものチェックをするので、総じて時間がかかります。
預貯金が凍結されると解約するまでお金が動かせず、故人のための支出や税金などの支払の原資にすることができません。

少しでも時間を短縮するために、上で述べた必要書類は事前に集めておき、金融機関の処理にとられる時間を最小限に抑えることが大切です。

(3)預金の詳細が不明なら現存照会や残高証明

預貯金を解約するために、亡くなった方の口座番号などを特定することになります。
口座番号が分からない場合や、口座を持っているかどうかが不明な場合、定期預金があるかもしれない場合は、現存照会をすることで亡くなった方の口座の詳細がわかります。

また、口座があることは判っているものの手元に通帳がない場合は、残高証明書を請求することで直近の残高を知ることができます。
そのほか、通帳の入出金を知りたい場合は入出金明細や取引明細を請求すれば口座の入出金履歴を辿ることができます。

(4)原本はすべて返却してもらう

戸籍や印鑑証明書、遺産分割協議書などは金融機関の預貯金相続手続だけではなく、不動産の相続登記や年金事務所、税務署など様々な場所の相続手続きに利用できます。

原本を出し切りにしてしまうと、新たに取るまでの時間と余計な費用がかかります。
金融機関に戸籍や印鑑証明書などを提出するときは、必ず原本を返却してもらうように依頼しましょう。

(5)相続人に未成年者、認知症、音信不通の方がいる場合

相続人の中に未成年者、認知症、音信不通の方がいる場合、相続の手続きとして難度が格段に上がります。

具体的には家庭裁判所の許可や申立てが必要になったり、遺産分割調停や審判などの訴訟に似た手続きを踏む可能性があります。
相続人の中に未成年者、認知症、音信不通の方がいる場合、専門家を介入させずに手続きを進めることが非常に難しいため、なるべく早めに司法書士や弁護士に相談しましょう。

(6)預貯金解約前でも一定額なら引き出せる

貯金は凍結されると相続手続きを完了するまで引き出せませんが、例外があります。
この例外を預貯金の仮払い制度と呼びます。

預貯金の仮払い制度は、相続人であれば他の相続人の協力を得ることなく一定金額まで引き出せる制度です。
仮払い制度により、喫緊で必要な葬儀代、医療費介護費の清算などを行うことができます。

預貯金の相続解約を司法書士に相談するメリット

(1)書類収集が素早く正確

相続に長けた司法書士であれば、戸籍や遺言書などの必要書類の収集を素早く、正確に行うことができます。

(2)預貯金の調査を依頼できる

預貯金の詳細が分からない場合に現存照会、残高証明、入出金明細などの取得や調査を依頼できます。これらの書類はどこからどこまでを取得すれば良いのか、相続税がかかる場合に集めないといけない書類などコツがありますが、司法書士であれば必要十分な範囲で調査取得ができますので、時間にも費用にも無駄がありません。

(3)平日に時間を取られずに済む

戸籍を集めるための役所や預貯金を解約するための金融機関は、平日の日中にしか開いていないため、相続人の方はお仕事や用事を後回しにして窓口に行くことがあります。

司法書士に依頼すれば、平日の貴重な時間を奪われることがありません。

(4)遺産分割協議書など書類作成、提出を依頼できる

相続の提出書類の中には遺産分割協議書という書類があり、この書類は相続人が作成しなければならないため、相続に不慣れ方にとって大きな負担となります。

また、金融機関から送られる相続手続き依頼書や相続届出書の書式はどれも記入方法が違うため、誤って記載してしまい余計な時間がかかることがあります。

相続専門の司法書士であれば遺産分割協議書の作成から金融機関への提出書類の記入を行いますので、相続人の方の負担が非常に小さくなります。

(5)不動産登記など相続手続きをまとめて依頼できる

預貯金と同じく故人がもっている代表的な財産は不動産です。

不動産は亡くなった方から相続人への相続登記が必要であり、令和6年4月以降から義務化されます。義務化された相続登記を放置すると10万円以下の罰金がかかることがあります。

相続登記は登記の専門家である司法書士に依頼することで、確実に登記申請がなされ、罰金を回避できます。なお、登記は司法書士か弁護士にしかできず、税理士や行政書士、銀行では行うことができません。不動産がある場合は司法書士に依頼することでスムーズな相続手続きが可能となります。

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