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相続放棄をする方がしてはいけないこと、注意点

2023 11/08
相続放棄をする方がしてはいけないこと、注意点

相続放棄とは、家庭裁判所に申し立てをすることでプラスの財産とマイナスの財産すべてを相続しなくなり、相続人から外れる法的な手続です。

相続放棄を検討している、または相続放棄をすることが決まっている方は、注意しなければならないことが沢山あります。

相続放棄を検討中の方、相続放棄をする方がしてはいけないことや注意点を解説します。

目次

相続放棄とは

相続放棄とは、亡くなられた方の財産すべてを受け取る(承継する)権利を放棄し、相続人でなかったことになる法的な手続です。

相続放棄は家庭裁判所に申し立てをして、相続放棄の申述が受理されることで効果が生じます。

特に、相続人同士の話し合いの結果、財産を受け取らないことに合意した=相続放棄と考える方が多いですが、これは誤解です。

上の例は、相続人の話し合いの結果たまたま財産を受け取らなくなっただけで、相続人であることに変わりはなく、亡くなられた方の借金はそのまま承継してしまいます。

法律上の相続放棄は家庭裁判所に申し立てをする手続きを指します。

相続放棄ができる期間

いつでも相続放棄ができるとすると、亡くなった方の債権者や他の相続人の地位が曖昧なものとなり、不公平が生じますので、相続放棄は申述できる期間が決まっています。

相続放棄ができる期間は、相続が発生し、自己が相続人であることを知ったときから3か月以内です。

この3か月の期間を熟慮期間と呼び、この間に財産の調査や相続放棄の検討をすることになります。

相続放棄を検討している人、相続放棄をする人がしてはいけないこと

相続放棄をすることで、放棄者は初めから相続人でないことになり、プラスの財産もマイナスの財産も受け取る権利を失います。
しかし、相続放棄を検討している方、相続放棄をすることは決まっていてその準備中の方、もしくは相続放棄の申述を家庭裁判所にした方が、注意しなければならないことがあります。

相続放棄を検討している方、放棄手続中の方、あるいは相続放棄が完了した方が共通して行ってはならないことは、「放置」と「およそ相続人の地位でないと出来ない言動」です。

相続人でないと出来ない言動をした場合は、「相続する意思表示をした=単純承認みなし」となり、相続放棄をすることが出来なくなります。

また、相続放棄をしていたとしても、単純承認みなしで覆ることがあります。

以下に具体例を挙げます。

(1)相続財産を処分しない

相続財産とは、亡くなられた方が保有していた財産一式を指します。
例えば、不動産、動産、自動車、現金、預貯金、債権、株式、借金などです。

これらの財産を私的に消費したり、売却したり、贈与したり、他人に貸したりするなど、処分に相当する行為をした場合は、単純承認みなしとなり、相続放棄ができなくなります。

(2)債務の弁済、弁済の提供、承認をしない

相続とは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産をも承継します。相続放棄はマイナスの財産を手放すときによく用いられますが、特に注意すべきは債務への対応です。

債務の弁済とは、その名のとおり債務を弁済する行為のことで、例えば亡くなった方の入院費、医療費、施設費、公共料金、電話代などの未払い分を支払う行為が単純承認みなしとなります。

病院や施設で亡くなられた場合は、当然親族に対して最後の費用の請求と荷物の引き取り等を要求されますが、相続放棄を検討している方、相続放棄をしている方、相続放棄の準備中の方はこれに応じるべきではありません。

また、注意したいのが弁済の提供や口頭での弁済の約束です。

弁済の提供とは、例えば家主に手渡しで滞納家賃を支払いに行ったがたまたま不在で受け取らなかった場合や、何日に振り込むから口座番号を知らせてほしいと連絡する行為です。

そのほか、「〇〇日までには返します。」「返すつもりです」といった口約束も単純承認みなしと捉えられ、相続放棄ができなくなる恐れがあります。

(3)相続財産を受け取らない

亡くなられた方が生前に有していた債権(例えば家賃)や、住民税や保険料などの返金がある場合にそれを受け取ってしまうのは、単純承認とみなされます。

仮に受け取ってしまったとしても、必ず自分自身の口座に入れず、真の相続人が相続するまでの一時的な預かりとして管理しましょう。

(4)銀行の引出、解約や不動産の名義変更をしない

銀行の預金が少額である場合は窓口で相続人の1人が解約できてしまうことがあります。

また、暗証番号を知っている場合に、ATMで引き出してしまうケースがありますが、これは相続人だからこそ行える行為ですので、相続放棄ができなくなります。

不動産の名義変更も同様に、相続人という立場だからこそできる行為ですので、もはや相続放棄をする余地がなくなります。

(5)契約の締結や解除変更をしない

亡くなられた方が生前に行っていた契約を引き継いだり、賃貸契約を解除する行為、引き落とし口座を自分の口座に変更するような行為は行わないようにしましょう。

放置しない

相続放棄ができるのは、自己が相続人であることを知ったときから3か月以内です。

この期間内に放棄をしないと、すべての財産を相続したものとみなされます。

相続放棄をしようとしている方は、放置して事態が好転することはありませんので、ご自身で相続放棄が出来ない方は、必ず3か月以内に司法書士や弁護士に相談しましょう。

相続放棄の検討中、相続放棄をしてもできることは?

相続財産の管理

相続財産を消費したり、処分する行為は単純承認とみなされますが、例えば預金通帳や権利書を手元に持っているだけの保管は相続放棄をした後でも行えます。

厳密には、相続放棄をした時点で現に占有している相続財産があるときは、次の相続人や相続財産清算人が管理できるときまで、その財産を保存しなければなりません。

未支給年金の受給

遺族年金や未支給年金は故人に対する権利(給付)ではなく、その遺族等に対しての給付であり、受け取れる人が決まっています。

未支給年金については相続放棄に関係なく、条件に該当すれば受け取ることができます。

ただし、個人年金のように亡くなった人が生前に受け取る権利を有し、その後死亡したケースのような年金は相続財産となるので相続放棄を検討している方は受け取ることができません。

受取人が故人ではない保険金の受け取り

保険には生命保険、医療保険、養老保険など様々な種類がありますが、受取人が故人になっていない保険、いわゆる一般的な生命保険については相続放棄に関係なく受け取ることができます。

受取人が故人ではない死亡退職金の受け取り

保険と同様に受取人が故人になっていない死亡退職金については、親族が固有で受け取る権利を持っていることになりますので、相続放棄に関係なく受け取ることができます。

祭祀財産

墓地、遺灰、仏壇などは祭祀財産と呼ばれ、相続財産とは別の扱いとなっています。

相続放棄をしたとしても、これらの祭祀財産は問題なく引き継ぐことができます。

相続放棄を司法書士に相談するメリット

書類作成、収集、提出がスピーディ

相続放棄は相続人であることを知ってから3か月以内の期限があります。

期限を過ぎてしまったり、単純承認をすると相続放棄ができず、借金も含めて相続することになってしまいます。

相続の専門家であれば、相続放棄に必要な書類の収集、作成、提出をスピーディに行います。

期限超過後や単純承認みなしにも対応

3か月の期限を超過したり、単純承認をしてしまったかどうか怪しいケースでも、諦める必要はありません。

特別な事情であったり、正当な理由があれば相続放棄を行える可能性があります。

相続の専門家であれば、期限超過後や相続放棄ができるか怪しい様々なケースも経験していますので、決して諦めずにまずはご相談ください。

債権者への対応をしてもらえる

相続放棄は、市役所や病院施設、消費者金融など、債権者からの督促がきて初めて借金を知ることも少なくありません。そして、借金の取り立てを受けることはどんな人にとっても嬉しいことではなく、精神的な負担がかかります。

司法書士にご相談いただければ、相続放棄後に取得できる「申述受理書」をもって、債権者に対しての通知をサポートしますので、債権者に怯えたり心配する必要がなくなります。

他の相続人の相続放棄も連続して引き受けられる

相続放棄は1人の方が手続すれば完了ということはなく、他の相続人に影響を及ぼします。

他の相続人に対して相続放棄の事実を伝えにくかったり、交流がないからといって放置していると、他の方が不測の損害を被り、あなたとの関係性が悪化してしまう恐れもあります。

相続手続きの専門家であれば、相続放棄をした後に相続人となった方の放棄や、その後の親族への通知なども行いますので、ご家族や親族全体の問題として解決することができます。

ご相談フォームはこちらこちらのフォームよりご予約ください。しっかりサポートいたします。

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