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【公正証書遺言書】作成の要件、方法、費用、メリットデメリット、注意点など

2023 9/05
【公正証書遺言書】作成の要件、方法、費用、メリットデメリット、注意点など

遺言書の代表格である公正証書遺言書の作成方法と注意点をご説明します。

目次

公正証書遺言書とは

遺言書とは、遺言者が亡くなったとき、誰が何を相続するのか指定した書面です。

「公正証書遺言書」とは、公証役場で、自身が実現したい遺言の内容を説明し、公証人が説明に基づいて作成した書面を指します。

公正証書遺言書を作成できる人とは

公正証書遺言書は満15歳以上で遺言能力のある方なら作成できます。

満15歳以上

15歳以上であれば親の同意なく遺言書を作成できます。

遺言能力がある人

遺言能力とは、遺言の内容によってもたらされる効果を認識できる能力です。

善悪の分別がつく能力<遺言能力<行為能力 とされています。

行為能力とは、自己が契約当事者となったり、法律行為をする能力のことです。

公正証書遺言書の作成方法

公正証書遺言書は、公証役場で証人2名立会のもと公証人に内容を口授し、公証人が作成した文書に署名押印して作成することができます。

公証役場

公証役場は全国にあり、住民票の住所地の最寄りだけでなく、どこでも利用することができます。

証人2名の立ち会い

相続人、財産の受遺者など利害関係人は証人として立ち会うことができません。

遺言書の内容を公証人に口授し

口授とは、遺言の内容を話すことを意味します。

公証人がその内容を遺言書として書面にし、

公証役場の公証人が遺言者の口授する遺言書の内容を書面にします。

遺言者及び証人が署名押印する

公証人が作成した文書(遺言書)に本人が署名押印します。

本人の手が震えるなど署名が難しい場合は署名を省略することができます。

遺言者が署名したあと、証人2名が立ち会った証明としてそれぞれ署名押印します。

認知症になっても公正証書遺言書が作成できるのか?

認知症の程度によっては、公正証書で遺言書を作成することができますが、注意が必要です。

遺言書は「遺言能力」がある人が作成することができます。

遺言能力とは、判断能力(自分で契約の内容や法律効果を理解し、法律行為を行う能力)より少し低い程度の能力です。

成年後見制度のうち、被後見人の方は判断能力がないと考えられ、判断能力が回復しない限り遺言書を作成することができません。

被保佐人、被補助人の方は、個々のケースによって、遺言書を作成できることがあります。

寝たきりで意思表示ができない方、完全に判断能力がなくなり後見制度で被後見人となった人は「遺言能力」がないと考えられますが、単に物忘れが出てきた程度や、身体的な障害の方は公証人にさえ説明できれば公正証書遺言書を作成できます。

認知症になった方の遺言書作成は判断が非常に難しい問題ですが、後回しにして良いことは何もありませんので、早急に司法書士や弁護士などの法律の専門家に相談しましょう。

公正証書作成遺言書作成の流れ

  1. 公証役場に予約をする
  2. 公証人に遺言の内容(案)を伝える
  3. 公証人に必要な資料を提出する
  4. 公証人が公正証書遺言書案を作成する
  5. 公証役場に行く日程の調整をする
  6. 当日、公証役場で公正証書遺言書を作成して公証人に手数料を払う。

 公証役場に行くことができない方は、公証人に自宅・施設・入院先の病院などに出張してもらうことも可能です。

公正証書遺言書作成に必要な書類

1.本人確認資料

  公正証書遺言に実印で押印できるなら、印鑑証明書が本人確認資料となります。

 それ以外では、顔写真付きの身分証(免許証・マイナンバーカード・パスポート)が本人確認資料となります。

2.相続関係や住所氏名を証明する資料

 本人が配偶者や子どもに財産を相続させる場合、戸籍の提出を求められることがあります。

 法定相続人でない親族や親族以外の第三者に財産を渡す場合、その方の住所氏名生年月日を確認できる戸籍や住民票、メモを確認することがあります。

3.財産を確認できる資料

不動産-評価証明書や納税通知書

預金-通帳コピーや残高証明書

株式-証券会社の保有明細書、年間取引報告書など

保険-保険証券

車-車検証など

公正証書遺言書のメリット・デメリット

公正証書遺言書のメリット

1.本人が亡くなった直後から、すぐに金融機関や不動産の名義変更ができる

公正証書遺言書は、作成時点で本人確認や本人作成の遺言書であることが担保されているため、本人の死亡直後から効力を発揮します。

2.相続人全員が協力・関与する必要がない

公正証書遺言書は、家庭裁判所で検認をしなければ手続に着手できない自筆証書遺言書はと違い本人の死亡後すぐに効力を発揮するので、相続人全員が家庭裁判所に行くことはありません。

本人死亡後の裁判所費用がかからない

自筆証書遺言書と違い本人の死亡後に裁判所で検認をする必要がないため、裁判所手続費用や専門家への依頼費用がかかりません。

遺言が無効になる可能性が低い

作成時点で証人立会のもと本人確認をしているため、無効になる可能性がほぼありません。

再発行できる

公正証書遺言の原本は公証役場に保管され、全国公証役場のデータ上で管理されます。

万が一紛失しても、遺言書の検索や再発行が可能です。

改ざんの恐れがない

作成した公正証書遺言の原本は公証役場で保管されるため、相続人が書き換えたり一部を破棄するリスクがありません。

公正証書遺言書のデメリット

遺言書の作成時点で、お金がかかる

自筆証書遺言書と異なり公証役場に手数料を払うため、お金がかかります。

作成までに時間がかかる

すぐに書いて作成できる自筆証書遺言書と違い、公証役場で打合せをした上で作成するため、数週間程度時間がかかります。

平日の日中に時間を取られる

基本的には公証役場に行って公正証書遺言書を作成します。

公証役場は平日しか空いていないので、平日に1時間程度時間を取られます。

公正証書遺言書の費用

公正証書遺言作成には公証人に手数料を支払う必要があります。

公証人の手数料は法律で一律に定められています。

目的の価額手数料
100万円以下5000円
100万円を超え200万円以下7000円
200万円を超え500万円以下1万1000円
500万円を超え1000万円以下1万7000円
1000万円を超え3000万円以下2万3000円
3000万円を超え5000万円以下2万9000円
5000万円を超え1億円以下4万3000円
1億円を超え3億円以下4万3000円に5000万円毎に1万3000円を加算
3億円を超え10億円以下9万5000円に5000万円毎に1万1000円を加算
10億円以上24万9000円に5000万円毎に8000円を加算
  1. 遺言加算
      財産額が1億円までは,基本手数料に1万1000円を加算。
  2. 枚数による加算
      証書の枚数が4枚を超えたときは,超えた枚数1枚ごとに250円を加算。
  3. 正本・謄本の交付手数料
      正本・謄本の枚数1枚ごとに250円×枚数
  4. 出張して作成した場合の加算等
    1. 病床執務加算 基本手数料の10分の5を加算。
    2. 日 当    往復に要する時間が4時間までは1万円、4時間を超えると2万円
    3. 交通費    実費

以上神戸公証センターからの抜粋。

公正証書遺言書と自筆証書遺言どちらが良い?

ご自身のお金を抑えたいなら自筆証書遺言書

遺言書作成のお金を抑えたいなら自筆証書遺言書がお得です。

紙、ペン、ハンコさえあればほぼ0円で作成できます。

確実な遺言書を作成したいなら公正証書遺言書

確実に有効な遺言書を作成したいなら公正証書遺言書がオススメです。

自筆証書遺言書と違い、紛失改ざん無効のリスクがほぼありません。

公正証書遺言書は裁判所の検認がいらない?

作成時点で本人確認や本人作成の遺言書であることが担保されているため、本人の死亡後に裁判所で検認をする必要がありません。

対して、自筆証書遺言書は、残された相続人が、遺言書の検認(使えるようにする)手続の段階で、費用を負担します。

家庭裁判所は平日しか空いていないので、相続人が平日に裁判所に行かなければなりません。

公正証書遺言書の方が、残された相続人に費用の負担を強いることなく、さらに裁判所に行かせる手間も省くことができる点で、自筆証書遺言書よりも相続人への負担が少ない遺言書です。

公正証書遺言書をオススメする理由

公正証書遺言書は残された相続人の金銭的な負担が減り、平日の日中に裁判所に行かずとも手続できるので身体的精神的な負担が減ります。

さらに、せっかく作成した遺言書を紛失、改ざんする心配がなく、無効になることもほぼありませんので、遺言者本人だけでなく相続人たちへの安心に繋がります。

これらのことから、当事務所では公正証書での遺言書作成をオススメしています。

公正証書遺言書の注意点

変更や撤回、作成し直すときに注意

一度作成した公正証書遺言を自筆証書遺言で変更や撤回すると、自筆証書遺言で有利な内容になった相続人が意図的に誘導して作り直させたなどの疑いを持たれることがありますので、公正証書で変更撤回を行うことが一般的です。

その際、再度公証人に費用を支払う必要があります。

相続人の遺留分に注意

公正証書遺言書は作成時点で公証人が関与するため、要式不備で無効になることはありませんが、

遺言書を発見した相続人同士がどのような関係になるか、遺留分がどうなるかまでは考慮してもらえません。

将来の税金、法的トラブルなどのリスクを考えるならば、公証役場に行く前に、専門家に依頼することが大切です。

内容が本当に実現したいことと一致しているか

二次相続や、遺言書に記載のある方が万が一遺言者よりも先に死亡した場合など不測の事態に陥ったときに、遺言者の希望しない法律関係や相続人がでてくることがあります。

公正証書遺言書は簡単に作成し直すことができませんんおで、将来の不測の事態にも対応できるような内容になっているか確認する必要があります。

公正証書遺言書の作成を専門家に相談するメリット

公証役場との打合せを任せられる

専門家に公正証書遺言の作成を依頼すれば、専門家が公証役場との連絡や打合せまですべて行いますので、遺言者の負担を減らすことができます。

法的に有効な遺言書を専門用語を使用して作成してもらえる

どんな遺言書を作成したいか伝えるだけで、専門用語を使用した法律的に有効な遺言書案を作成してもらえます。

二次相続、遺留分、相続関係など今後の法的リスクも相談できる

遺言書を残すことで相続人同士の相続関係や二次相続、遺留分にどのような影響があるかまで、将来のことを見据えた専門的なアドバイスを受けることができます。

税金対策に着手できる

相続税がなるべくかからないように、税理士などの専門家と協力して有益な税金対策

に着手できます。

相続の専門家である当事務所なら、公正証書遺言書の作成について、適格に法的なアドバイスができます。また、税金の問題点については税理士とともにアドバイスできますので、安心してご相談ください。

ご相談フォームはこちらこちらのフォームよりお気軽にご予約ください。

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