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相続放棄と債権者への対応。請求されたらどうなる?

2023 12/18
相続放棄と債権者への対応。請求されたらどうなる?

相続放棄をする理由は、多くが「借金を相続したくないから」です。

借金、つまり被相続人に対して債権を有している債権者がおり、その方への債務の弁済を承継したくないことを理由に相続放棄を選択される方が非常に多くいます。

相続放棄をした後に債権者から請求を受けた場合の対応や、相続放棄をする前の段階から知っている債権者に対してどのように対応すべきかを分かりやすく解説します。

目次

相続放棄とは

相続放棄とは、亡くなった方の相続人が、亡くなった方からの権利・義務の一切を放棄することです。

相続放棄がされる場合の多くは、「亡くなった方の借金を相続したくないから」という理由ですが、相続放棄をすると借金だけでなくプラスの財産である預貯金、株式、不動産もすべて放棄することになります。

一部の例外を除いて権利義務の一切を放棄し、法律上相続人ではなくなります。

注意していただきたいことが、相続人ABCの話し合い(遺産分割協議)の中で、「Aがすべて相続する」と決まったとき、「BCは相続放棄した」ように話す方がいますが、これは法律上の相続放棄とは違い、「ABCのうちAがすべて相続する協議をした」という遺産分割協議の結果に過ぎません。

この状態を相続放棄と勘違いしていると、亡くなった方に債務がある場合、債権者の承諾がなければBCはAとともに借金を支払うことになります。

相続放棄が出来る人

相続放棄ができるのは、亡くなった方の法定相続人です。

将来相続人になったときのために、相続が起きる前にあらかじめ相続放棄をしておくことはできません。

「相続放棄します。」と一筆かいておいても、法律上何の効力もありません。

法定相続人になるのは、本人の配偶者・子供(子供が死亡している場合は孫)・親・兄弟姉妹(甥姪)です。

法定相続人は順位があり、法定相続人が亡くなっていると権利関係が複雑になりがちですので、不安な方はまず一度ご相談ください。

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相続放棄の方法

相続放棄は、相続放棄の対象となる方(亡くなった方)が最後の住所の家庭裁判所に書類を提出します。

各家庭裁判所のHPに掲載されている申立書と、自分が相続人であることを証明する戸籍などの添付書類を提出します。(神戸家庭裁判所HPの相続放棄書式はこちら

相続放棄は、家庭裁判所に放棄の申立をし、受理されて初めて正式な放棄となりますのでご注意下さい。

例えば未払いの借金がある場合に、取り立てに来た債権者に対して、「私は相続しません」と発言したり、個人的に書面を作成するだけでは相続放棄にはなりません。

相続人になったことを知ってから3か月以内に放棄をしないと、自動的に相続したことになってしまいますので、相続放棄をしたい方は、必ず家庭裁判所で正式な放棄の手続をしてください。

相続放棄をしたことは戸籍に記載される?

相続放棄をしたことは、亡くなった方の戸籍や、相続人の戸籍に記載されません。

第三者や他の相続人からすると、戸籍を見ただけでは相続放棄をしたことが明らかではないので、相続放棄をした人が他の相続人や債権者に対し、自分が相続放棄をしたことを証明する書類を提出することになります。

相続放棄の証明書

相続放棄ができたことを公に証明する書類は、「相続放棄申述受理通知書」と「相続放棄申述受理証明書」の2種類があります。

被相続人にプラスの財産がある場合、相続放棄をしていない相続人は、銀行の解約、法務局の登記手続などを行うために戸籍関係の書類を提出します。相続放棄をした人がいる場合、相続放棄をしたことは戸籍に記載されないため、他の相続人や債権者から相続放棄をしたことを証明する書類を求められ、相続放棄申述受理通知書または相続放棄申述受理証明書を提出して対応します。

相続放棄申述受理通知書

家庭裁判所に相続放棄を申立て、無事にその申立てが受理されると、家庭裁判所から放棄をした人の住所にA4用紙1枚ものの相続放棄申述受理通知書が届きます。

この相続放棄申述受理通知書は裁判所の押印がなされているので、相続放棄をしたことの証明になります。

相続放棄をしたことを他の相続人や債権者に対して証明する場合、この相続放棄申述受理通知書で対応できることになりますが、この通知書は裁判所から届く通知書面ですので1枚しか発行されず、紛失や原本還付のできない手続に使用してしまうと再利用ができなくなります。

その場合には、後述する「相続放棄申述受理証明書」を取得します。

相続放棄申述受理証明書

相続放棄申述受理証明書は、家庭裁判所に対して相続放棄をした人、他の相続人や利害関係人が請求することのできる書面で、相続放棄をしたことが正式に証明された書面です。

実務上は、先ほどの申述受理通知書があればほとんどの手続きに対応することができますが、相続放棄をした人が音信不通である、相続放棄をした書面を提出しない、相続放棄をした後長期間が経過して相続放棄申述受理通知書を紛失しているなどのケースでは、この相続放棄申述受理証明書を取得します。

この証明書は相続放棄をした人以外の相続人のほか、債権者など利害関係人が請求することができるため、相続放棄をした人が非協力的な場合は裁判所で発行してもらう方が早いことがあります。手数料は収入印紙150円で発行できます。

相続放棄前から知っている債権者への対応はどうすれば良い?

相続放棄をする前の段階から債権者が判明している場合、何も連絡をしないでいると訴訟や仮差押などの法的措置を取られる可能性があるため、放置し続けることはあまり推奨されません。具体的に債権者とどのような関係性なのかによって対応が変わるため、詳しく見ていきましょう。

債権者から請求や督促を受けている場合

相続放棄をする前の段階で、既に債権者から請求や督促を受けていることがあります。

債権者として考えられるのは銀行、役所、賃借物件のオーナーなど比較的しっかりした相手方です。

これらの債権者は相続人調査をしたうえで通知をしてきたり、不動産に抵当権や差し押さえをしていることもあるため、書面や電話での連絡に対して無視や放置をすることはプラスになりません。

債権者に対して行う対応は主に次の3点です。

1.相続放棄を検討している、または既に手続きに着手していること

債権者に対して、まず書面か口頭のいずれかで相続放棄を検討しているまたは既に手続きに着手していることを伝えましょう。債権者の数、関係性、金額等に関係なく、被相続人の財産を相続放棄するのは相続人に認められた権利です。

相続を承認したとみなされる行為をしていない限りは債権者から異議を申し立てられることもありませんので、粛々と相続放棄を進める旨を伝えましょう。

2.債務の弁済、被相続人に関する手続きには一切協力できないこと

債権者は債権の回収のために、相続人に対して弁済や相続人としての対応を請求してきます。例えば、未払い公租公課の支払、クレジットカードに未払い金の支払、住宅の解約と残置物の撤去などの対応を求めてくることがあります。

しかし、相続放棄を検討している、または進めている人が被相続人の弁済や住宅の解約立ち合い等に応じるべきではありません。これらの行為は相続を承認したとみなされ、相続放棄が出来なくなる可能性があるからです。

債権者から債務の弁済や解約手続きを求められても、相続放棄をするから応じられない旨を伝えましょう。また、他の相続人の連絡先や住所を聞かれることもありますが、相続人と言えども個人情報に触れるため、答えないようにしましょう。債権者は弁護士や司法書士に依頼すれば相続人を調査できるため、相続放棄をした人から聞き出さずともいずれ知ることができます。

3.相続放棄をしたあと、書面をもって連絡すること

相続放棄が無事に完了したら、先ほど紹介した相続放棄申述受理通知書か証明書を債権者に対して提出しましょう。債権者に対しては、相続放棄申述受理通知書や証明書のコピーを提出すれば足ります。

なお、相続放棄をせずに財産を取得した相続人がいる場合、その相続人に対しては、相続放棄申述受理通知書や証明書の原本を提出することがほとんどです。

債権者から請求や督促を受けていない場合

相続放棄をする人は債権者の存在を知っているけれど、債権者はまだ相続人の住所氏名を知らずに請求できていないケースがあります。

このような場合に、こちらから債権者に対して通知をする法的な義務はありません。

しかし、後日債権者から相続人に対して通知や催告がくる可能性があるため、先に書面で通知しておくことも1つの方法です。この場合は、先ほどのように3段階の対応を行いましょう。

相続放棄後に請求を受けた場合の対応

相続放棄をした後に債権者から請求や催告を受けた場合、相続放棄をした人は先ほど解説した相続放棄申述受理通知書か証明書を債権者に提出して、相続放棄をしていることを伝えましょう。

まともな債権者であれば、この相続放棄申述受理通知書や証明書を提出すれば引き下がります。

しかし、例えば債権者がこちらの単純承認を主張してくる、つまり、相続放棄が無効であることを主張してくる可能性や、個人間の貸し借りであれば感情的になってしつこく請求催告をしてくる可能性があります。

その場合は速やかに弁護士に相談しましょう。債権者の主張が不当なものであれば強要罪などの刑事事件になることがありますし、法定単純承認の主張であれば裁判所で決着をつけることになるからです。

相続放棄を司法書士に相談するメリット

書類作成、収集、提出がスピーディ

相続放棄は相続人であることを知ってから3か月以内の期限があります。

期限を過ぎてしまったり、単純承認をすると相続放棄ができず、借金も含めて相続することになってしまいます。

相続の専門家であれば、相続放棄に必要な書類の収集、作成、提出をスピーディに行います。

期限超過後や単純承認みなしにも対応

3か月の期限を超過したり、単純承認をしてしまったかどうか怪しいケースでも、諦める必要はありません。

特別な事情であったり、正当な理由があれば相続放棄を行える可能性があります。

相続の専門家であれば、期限超過後や相続放棄ができるか怪しい様々なケースも経験していますので、決して諦めずにまずはご相談ください。

債権者への対応をしてもらえる

相続放棄は、市役所や病院施設、消費者金融など、債権者からの督促がきて初めて借金を知ることも少なくありません。そして、借金の取り立てを受けることはどんな人にとっても嬉しいことではなく、精神的な負担がかかります。

司法書士にご相談いただければ、相続放棄後に取得できる「申述受理書」をもって、債権者に対しての通知をサポートしますので、債権者に怯えたり心配する必要がなくなります。

他の相続人の相続放棄も連続して引き受けられる

相続放棄は1人の方が手続すれば完了ということはなく、他の相続人に影響を及ぼします。

他の相続人に対して相続放棄の事実を伝えにくかったり、交流がないからといって放置していると、他の方が不測の損害を被り、あなたとの関係性が悪化してしまう恐れもあります。

相続手続きの専門家であれば、相続放棄をした後に相続人となった方の放棄や、その後の親族への通知なども行いますので、ご家族や親族全体の問題として解決することができます。

ご相談フォームはこちらこちらのフォームよりご予約ください。しっかりサポートいたします。

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