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相続人申告登記の申出とは?メリットデメリット、利用すべき人やケース、注意点など

2023 10/17
相続人申告登記の申出とは?メリットデメリット、利用すべき人やケース、注意点など

令和6年4月から相続登記の義務化に伴い、相続人申告登記の申し出制度がスタートします。

この制度により、相続人であることを簡単に法務局に届け出ることができるようになります。

相続人申告登記の申し出制度の意義、メリットデメリット、利用すべき人などを解説します。

目次

相続人申告登記の申出とは

相続登記が出来ていない不動産につき、自己が相続人の1人である旨の申し出をすることで、法務局の登記官が不動産登記簿謄本に申し出をした相続人の住所氏名を付記することになります。

相続人申告登記はいつから?

令和6(2024)年4月1日から相続登記の義務化とともに、相続登記の義務を履行する手段の1つとして相続人申告登記の申し出が開始します。

相続登記は義務ですが、相続人申告登記の申し出は義務ではありません。
相続登記ができるなら相続人申告登記の申し出はそもそも必要ありません。

相続人申告登記の申し出の意義

なぜ相続人申告登記の申し出制度が出来たかというと、いま日本では相続登記が未了の土地建物で溢れかえり、空き家問題等社会問題となっているからです。

今までは相続登記が任意であったため、金銭的な価値のない山林や田畑、古い建物などは相続登記をすると専門家への報酬の方が高くついたり、自分でやるのは面倒だからと放置する人が大勢いました。

放置された土地建物が増えると、円滑な不動産取引、不動産流通に支障を来すだけでなく、管理不全不動産として周辺住民に迷惑をかけたり、犯罪者や不法滞在者の利用場所になるなど申告な問題となるため、相続登記の義務化が令和6年4月から開始することが決まっています。

相続登記の義務化は罰則規定がありますが、相続人の数が多くて登記ができない、権利関係で揉めていて時間がかかるといった「相続登記したいけど現実的にまだできない」という事情がある場合にまで罰則が適用されるのは理不尽との理由で、相続登記の義務を履行する手段の1つとして相続人申告登記の申し出が開始します。

相続人申告登記に必要な書類

相続人申告登記の申し出は、通常の相続登記と違い申出人が相続人であることさえ証明できれば良いので、必要書類は相続登記よりも少なく手続できます。

具体的には次の書類が必要です。

相続人申告登記の申出書
被相続人が亡くなったことを証明する戸籍
相続人であることを証明する戸籍
相続人の住所を証明する住民票又は戸籍附票

他の相続人が誰であるか、何人いるか、相続分などは必要なく、単純に申出人が相続人の1人であることを証明できれば申し出ができます。

相続人申告登記の登録免許税

相続人申告登記の申し出は登録免許税がかかりません。

正式に持分や取得者が決まったときに相続登記を行うことになり、相続登記の際に登録免許税がかかります。

相続人申告登記の申し出をするとどうなる?

相続登記が出来ていない不動産につき、自己が相続人の1人である旨の申し出をすることで、法務局の登記官が不動産登記簿謄本に申し出をした相続人の住所氏名を付記することになります。

この申し出により相続登記の義務を履行したことになり、とりあえず過料が科される心配がなくなります。

相続人申告登記の申し出をしないとどうなる?

相続人申告登記の申し出は義務ではないためしないことでの罰則はありません。

ただし、相続登記の義務を履行できていないことになりますので、相続を知ったときまたは令和6年4月から3年以内に相続登記をしないと、10万円以下の過料が科されることになります。

相続人申告登記の申し出を利用すべき人、ケース

相続人の数が多くて調べられない

相続人の数が多い相続登記手続は、相続人調査だけで数か月かかる場合もあります。

相続登記の義務化は相続が発生し相続人であることを知ったとき、または令和6年4月から3年以内に登記しないといけないため、気づいた時には履行機関が迫っている場合もあります。

相続登記の義務を見過ごすと、10万円以下の過料を取られる可能性があります。

相続人が多いときは、いったん自分が相続人であることを申告することで、義務違反による過料を免れます。

相続人同士がもめていて話がまとまっていない

相続人同士の話し合いがまとまらないと相続登記をすることが難しくなります。

相続人同士がもめているケースや話し合いに時間がかかる場合は、相続人申告登記の申し出をすることで相続登記義務を履行したことになります。

相続登記の催告書が届いている

令和6年4月以降は、相続登記を長期間放置すると法務局から催告書が届きます。

この催告書も無視していると最終的に過料が科されます。

長期間放置した相続登記義務違反の不動産の相続人に対して、過料が1回限りなのか定期的に生じるものなのかは改正前の現時点ではっきりわかっていません。

相続人申告登記のメリット

相続登記の義務を履行できる

相続人申告登記の申し出の最大のメリットは、少ない労力で相続登記の義務を履行できる点です。

通常の相続登記のように亡くなった方の出生~死亡までの連続した戸籍、相続人全員の戸籍、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書などを提出する必要はなく、単に申出人が相続人の1人であることさえ証明できれば良いのです。

他の相続人に影響を受けない

通常の相続手続きでは、相続人の1名が音信不通、海外にいる、仲が悪い、判断能力が低下している、未成年者がいるなど他の相続人の事情によって時間や労力が大きな影響を受けます。

相続人申告登記の申し出はあくまで申出人が申告すれば良いので、他の相続人の事情に左右されません。

相続人申告登記のデメリットや注意点

根本的な解決にはならない

相続人申告登記の申し出は一時的な申し出にしか過ぎませんので、相続登記自体が完了したことにはなりません。

最終的に不動産を売却したり、他人に貸したり、権利を主張するには相続登記が必要ですので、問題を先延ばしにしただけともいえます。

また、相続人申告登記の申し出をした後に安心してそのままにしてしまうことが考えられますが、相続登記をしないと相続人は増え続けますので、相続登記の際に余計な費用や時間がかかる可能性もあります。

申告者以外の相続人の義務は残る

申告登記の申し出をした相続人は不動産に住所氏名が記載され、相続登記の義務を履行したことになりますが、反対に申告していない相続人の義務は残ったままとなります。

相続人申告の申し出を複数の相続人で行うと不動産の登記事項に全員の住所氏名が記載され、誰でも閲覧可能な状態になりますので、個人情報保護の観点からあまり望ましいとは言えません。また、複数の相続人で申告を専門家に依頼すると、その分費用もかかることになります。

相続登記をする際に、別途費用がかかる

相続人申告登記をするメリットは相続登記の義務を履行できる点のみです。

その後正式に相続登記をする際には相続登記のための戸籍取得費用、司法書士に依頼する際の司法書士報酬、登録免許税がかかります。

相続登記義務が復活することがある

相続人申告登記をしたあとに、相続人で遺産分割協議を行ったときは、遺産分割協議の日から3年以内に相続登記をしなければならず、相続登記義務が復活することになります。

相続人申告登記はどの専門家に相談する?

相続人申告登記は法務局への書類提出が必要です。

法務局への登記申請や書類提出は司法書士が専門家です。行政書士や税理士は専門家ではありません。

また、最終的には相続登記も行わないといけなくなるため、登記の専門家である司法書士に相談しましょう。

相続手続きを司法書士に依頼するメリット

必要な書類と情報収集、調査、手続が素早く正確

相続専門の司法書士が、相続手続きに必要な情報、書類の調査や収集を素早くかつ正確に行いますので、相続財産の詳細がわからない、数が多いという方も安心してお任せいただけます。

余計な時間、労力を減らして心身に余裕ができる

相続はただでさえ心労に大きなご負担がかかります。
葬儀や親族への連絡、役所への手続など、頭が真っ白の状態で次から次へとやるべきことに追われます。

そのうえ、相続手続きは相続人の数、状況、相続財産の金額によって行う内容、集める書類等が大きく変わります。しかも、必要な書類は平日の日中にしか開いていない役所や法務局で集めなければならず、お仕事やお忙しい方にとっては大変な負担です。

相続の専門家にご依頼いただれけば、相続人の事務的なご負担を減らしますので、心身に余裕が生まれます。

法的なリスク、対策などを聞ける

相続手続きは順序や方法を間違えると、相続トラブルとなってしまう可能性があります。

ご相談いただくことで、法的なリスクだけでなく、将来的な対策を踏まえた相続手続きが可能です。

節税につながる

相続手続は、同じ相続でも財産の承継の仕方や手続きの仕方によって、税金に大きな差が生まれることがあります。

相続の専門家に相談するか否かで、100万円以上の差が生まれることも良くあります。

相続の専門家に依頼すれば報酬がかかりますが、それ以上の税金の差が生まれ、結果的に専門家報酬を大きく超える節税につながることもあります。

他の専門家にまとめて依頼できる

相続の手続きの中で、相続した不動産を売りたい(司法書士と不動産会社)、相続税の相談をしたい(司法書士と税理士)、もめている相続の代理人になってほしい(司法書士と弁護士)、家を取り壊したい(司法書士と土地家屋調査士と解体業者)など、ご相続の状況に応じて様々な専門家に横断的な依頼が必要になることがあります。

相続の専門家にご依頼いただければ、信頼できる他の専門家を紹介し、まとめて手続きを進めることができますので、「誰に何を相談すれば良いのだろう」といった悩みが解消し、他の専門家を探す必要がありません。

ご相談フォームはこちら相談無料。お気軽にご相談ください

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