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遺族に負担をかけないための生前整理

2023 12/05
遺族に負担をかけないための生前整理
目次

生前整理とは?

生前整理とは、自身の死後に遺族が直面する問題や負担を軽減するため、生前に自分の物や財産を整理する行為です。生前整理は物理的な整理と、精神的(情報などの)整理があります。
物理的、精神的いずれにしても自分一人で整理することが大変なものがあるため、難しいと感じたら物理的な芹井は生前整理業者や不用品回収業者、精神的な整理は司法書士や弁護士などに依頼するのも一つの方法です。

生前整理を行う目的としては、終活のひとつ、相続対策の一環で自分自身の身辺整理があります。
生前整理を行うタイミングに「この時期が最適」というものはありませんが、できるだけ元気なうちに少しずつ生前整理を行うと、いざという時に慌てることもなく、落ち着いて対応することができます。

終活や生前整理は死に対するイメージを持たれる方が多いですが、今後の自分の生活を見つめ直す機会になり、これからの生活をより豊かにするため、むしろ自分らしく穏やかに過ごす前向きな活動です。

遺品整理との違い

遺品整理は、亡くなった方が残した物(家の中の家具や動産、貴金属や思い出の品など)を遺族が整理処分することであるのに対して、生前整理は自分が自分自身のために行う整理です。

配偶者や同居の親族が同居している状態で亡くなられたのであれば、ご家族が個人の遺品を把握できていることが一般的ですが、身寄りのない方や親族と同居していない方の場合、どこに何があるのかを把握できていないため、遺品整理は想像以上に多くの時間や労力がかかります。
部屋の片付けや家具・持ち物の処分に加え、相続に必要なもの、通帳、印鑑、契約書や権利書など大事な書類が見つけにくくなります。
そのほか、自筆証書遺言書や現金などを誤って捨てないように、故人にとってはゴミや不用品と判断しているものでも1つずつ中身を確認したり、ノートやチラシ、新聞などを1つ1つめくって確認することもありうるため、あまりの大変さにご遺族の方が途方に暮れるケースもあります。

生前整理のメリット

生前整理のメリット

生前整理を行うことは、ご自身だけでなくご家族にとっても以下のような多くのメリットがあります。

自分自身の心の整理

生前整理は物理的なもの、精神的なものがありますが、どちらにしても自分自身の今の状態を一度見つめ直し、これからの人生に必要なもの、不要なものなどを改めて判断するきっかけになります。

生前整理をすることでご自身の大切なものを再認識し、より有意義な時間を送ることができます。

遺族の負担軽減

生前整理をなされている方と、そうでない方とは、そのご家族や残された方々の負担が大きく異なります。

物理的な負担でいうと、物があふれている自宅から必要な物、貴重品、遺言書、契約書、現金などを探すのに加え、不用品の分別をすることになります。
また、賃貸不動産を明け渡す場合や所有不動産を売却する際には掃除なども必要になります。

精神的な負担でいうと、必要な物、貴重品、遺言書、契約書、現金などを捨ててしまったらどうしようという不安、早く生前整理をしないと固定費がかかり続けるという負担、故人が大切にしていた物を処分しないといけない心苦しさ、どこに財産があるのか分からない(反対に借金があるかもしれない)不安、PCや携帯の暗証番号が分からず中身を確認できないもどかしさなどがあります。

同居している親族であっても、故人の財産、銀行預金がどこにあるのか、貴重品をどこに置いているのかなどを知らないことは珍しくありません。
ご自身が生前整理を行うことで、遺品整理の手間や心理的負担を大きく減らすことができます。

財産の継承

生前整理の一環で遺言書やエンディングノートを作成すれば、財産の所在やご自身の意思を明確にし、相続人へのスムーズな財産の継承が可能になります。
遺言書やエンディングノートの存在によって、相続人同士が財産を取り合うことや、葬儀の方法でもめる可能性が減り、結果的に円満な相続を実現できます。

親族への明確な意思表示

生前整理の中でエンディングノートを作成しておくと、葬儀や永代供養の希望、親族や知人友人への連絡、終末期医療や延命治療の希望を明確に外部に表示できるため、最後の瞬間まで自分らしい生き方を実現することができます。

生前整理のデメリット

生前整理は先に述べた多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

時間と労力がかかる

生前整理は1日2日で終わるわけではなく、多くの時間と労力がかかります。
物理的な整理であれば処分業者に依頼することで解決しますが、情報など精神的な整理は自分自身にしか出来ないことがほとんどですので、少しずつ時間をかけて整理していく必要があります。

費用がかかる

物理的な生前整理を処分業者に依頼すると処分費用がかかります。また、ご自身が整理する場合でも、大きな家財道具や特殊な物の処分は費用がかかることがほとんどです。

エンディングノートや遺言書の作成を専門家に相談して進める場合は、専門家報酬がかかります。

生前整理を始めるべき時期は?

生前整理を始めるべき時期

生前整理をいつ始めるべきかの正解はありません。
生前整理は時間がかかるため、なるべく早いうちに少しずつ始めることが理想的ですが、生前整理を行うきっかけになるタイミングもあります。

すぐに始める

早期に始める最大のメリットは、少しずつ無理のないペースで整理ができる点です。
また、健康なうちに始めることで、物理的な整理を行いやすくなります。

子供が家を出た時

子供の独立は、生活に必要な物が一気に変わったり減るタイミングでもあります。物品の見直しや整理に最適な時期です。

定年退職後

定年退職をきっかけに生前整理を始めるのも良いでしょう。退職金をもとに第二の人生設計や、老後の資産形成、相続対策などに着手できるタイミングでもあります。

生前整理をする際のポイント

生前整理をする際のポイント

生前整理を行う際は、いくつかの重要なポイントを念頭に置く必要があります。

急がず段階を踏んで行う

焦らず、一歩一歩進めることが大切です。急ぎすぎると、重要な決断を見落とす可能性があります。

前向きな姿勢で取り組む

生前整理は決して後ろ向きの行為ではありません。新しい人生のステップへの準備として前向きに捉えましょう。

家族と共に進める

家族と協力し、意見を共有することで、整理作業はよりスムーズに、また意義深く進むでしょう。

実践できる生前整理の進め方

実践できる生前整理の進め方

生前整理を効果的に進めるための具体的な方法はさまざまです。具体的な進め方を見てみましょう。

物品、デジタル情報、金融関係の整理

生前整理において、物理的な物、デジタル情報、金融関連の資産の整理は、重要な部分を占めます。具体的には、次のような手順が考えられます。

物理的なアイテムの整理

家庭内の衣服、家具、書籍、思い出の品などを、必要なもの、不要なものに分別していきます。
不要な物品は、単なる処分ではなくリサイクルや寄付、または販売をすることで、金銭的精神的な余裕が生まれることもあります。

デジタル情報の整理

デジタル情報とは、携帯電話の暗証番号、連絡帳、アカウントのIDやパスワード、電子メールアカウント、ソーシャルメディアアカウント、オンラインストレージサービス、サブスクリプションサービスの情報などが含まれます。最近ではこれらを「デジタル遺品」と呼び、故人のアカウントやデジタル情報をどのように管理、整理するかが1つの問題にもなっています。
普段は他人に公開するものではない分、自分がいなくなったときに親族が対応できるように、情報を一覧にしてまとめたり、重要なデジタル資産(例えば、写真や文書)はバックアップを取り、安全な場所に保管するなどしましょう。

金融資産関係の整理

金融資産関係とは、預貯金の銀行名、支店名、口座番号のほか、生活費などの定期的に発生している支出の内容も整理すると良いでしょう。
そのほか、生命保険、医療保険、養老保険、火災保険などの保険証券をまとめておくことも大切です。

エンディングノートや財産目録の作成

エンディングノートと財産目録の作成は、生前整理において非常に重要です。これらの文書は、死後の遺族の混乱を防ぎ、明確な意志伝達の手段となります。

エンディングノートの作成

エンディングノートには、緊急連絡先、医療に関する延命措置や尊厳死の希望、葬儀や永代供養の希望、財産の分配に関する意向など、自分の意思を詳細に記載します。
エンディングノート自体は法的な効力がありませんが、遺族は故人の具体的な願いを理解し、それに従って行動することができます。また、エンディングノートは自分の人生を振り返り、重要な思い出や価値観を自伝のように記載することもできるため、大切な考え方や生き方を共有するツールとしても機能します。

財産目録の作成

財産目録とは、所有する不動産、金融資産、貴重品などの詳細なリストを指します。
どこに何があるのかを一覧にするだけでも、相続人や遺族にとっては非常に有益な情報になります。また、遺言書を作成する際の目録としても活用でき、遺言書がない場合の相続人が遺産分割をする際にも役立ちます。

遺言書の作成と相続税対策

遺言書の作成と相続税対策

遺言書の作成と相続税対策は、生前整理の重要な要素です。
特に遺言書は、相続手続き全体の時間、労力、費用に大きく影響する書面であり、相続人にとっても大きな負担軽減となります。

専門家に相談して遺言書を作成する

遺言書は個人の最終的な意志を法的に有効に伝える手段です。
遺言書は法律で厳格な要件が定まっており、要件を具備していない遺言書は無効になってしまいます。
そのため、司法書士や弁護士などの相続に強い法律の専門家から助言を受け、二次相続や遺留分などにも配慮しつつ遺言書を作成していくことが大切です。

相続税対策として生前に使える制度を検討

相続税の負担を軽減する方法として、相続時精算課税や暦年贈与、配偶者の贈与特例などの税制度を最大限に活用すると効果的です。
また、生命保険の基礎控除、孫への教育資金贈与など、合法的に財産を承継していくことで、余計な税金を抑えることができます。
これらは何通りもの税金シミュレーションをしながら対策することが大切ですので、必ず税理士に相談しながらすすめていきましょう。

生前整理について考えてみる

生前整理は、終活の一部として行われることがほとんどですが、これまでの自分の人生を振り返り、今後の人生をより豊かにするために行う前向きな活動です。

生前整理ができていると、相続人同士のトラブルの可能性が下がるだけでなく、ご自身の気持ち、考え方、希望を的確に相続人に伝えられるため、なるべく早い段階から少しずつ始めていきましょう。

生前整理は物品の整理、デジタルデータの管理、エンディングノートの作成、遺言書の作成、相続税対策など、多角的なアプローチが必要です。まずは自分ができることから始めていき、専門的な判断や難しいことは司法書士や弁護士などの法律の専門家を上手に活用して進めていくことが大切です。

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