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住所変更登記の義務化とは【令和8年4月施行】

2023 11/04
住所変更登記の義務化とは【令和8年4月施行】

所有者不明土地や相続未了不動産の問題を踏まえ、不動産に関する住所変更登記が義務化されることになりました。

住所変更登記の義務化とは、いつから施行されるのか、義務違反の罰則、注意点を解説します。

目次

住所変更登記とは

不動産を売買や相続で取得する際、名義人になる方の住所を証明する住民票を法務局に田提出します。

そして、住民票に記載された住所と氏名が不動産の登記記録(登記簿)に記載されます。

その後、所有者である名義人が住所を移転したとしても、不動産の登記簿に記録された住所は申請しない限り変更されません。

住所変更登記とは、このように現住所と登記記録上の住所が異なるために、現在の住所に変更する登記手続きを指します。

住所変更登記はいつから義務化される?

住所変更登記の義務化は令和8年4月1日から施行されます。

住所変更登記義務の対象者は?

住所変更登記義務の対象となるのは、令和8年4月の施行日時点で既に住所や氏名に変更が生じている人(法人)、または施行日後に変更が生じた人(法人)です。

つまり、施行日前に変更事由が生じている方も住所変更登記義務の対象となります。

また、個人だけでなく法人も登記義務の対象となります。

いつまでに住所変更登記を申請しないといけない?

住所変更や氏名変更の事由が生じた場合、2年以内に登記をしなければなりません。

施行日以前に既に変更が生じており2年経過している場合は、施行日から2年以内に登記することが義務付けられています。

住所変更登記をしないとどうなる?

正当な理由なく住所変更や氏名変更事由が生じてから2年以内に変更登記を申請しないと、5万円以下の過料に課されます。

これは交通違反などと同じ行政罰ですので前科がつくことはありませんが、きちんと登記していれば払わなくても良いお金ですので、変更が生じたら早めに登記するか、司法書士に依頼しましょう。

住所変更登記はどうやって申請する?

住所変更登記は不動産を管轄する法務局に対して所有権登記名義人住所(氏名)変更登記を申請します。

住所変更登記に必要な書類は?

登記申請書
変更が生じたことがわかる書類

個人の住所変更であれば住民票、氏名変更であれば戸籍、法人は登記事項証明書です。

法人の登記事項証明書に関しては、会社法人等番号を申請書に記載することで添付を省略することができます。

住所変更登記に必要な費用は?

登録免許税

不動産1個につき金1000円がかかります。
不動産は登記された不動産ごとに数えるため、1筆の土地と、その上にある建物の住所変更の場合は2000円です。
また、マンションなどは敷地権(土地)の権利も付着していることがほとんどですので、敷地権1つのマンションだと専有部分の家屋を含めて2000円、敷地権2つのマンションだと3000円です。

司法書士報酬

住所変更登記を司法書士に依頼した場合、司法書士の手数料がかかります。

住所変更登記の注意点やポイント

複数の所有者なら全員申請しないといけない

所有者がA、B、Cの3名であり、それぞれがバラバラの住所に移転している場合は、全員がバラバラに登記申請する必要があります。

委任状がないかぎり、AさんがCさんの分を申請することはできません。

複数の所有者が一緒に同じ住所に移転した場合は、まとめて申請できる

例えば夫婦や親子が不動産を共有しており、一緒に新しい住所に移転しているような場合は、まとめて住所変更登記を申請することができます。

登録免許税は申請ごとに不動産の数×1000円で計算されるため、バラバラに登記申請する場合と比べて半分の登録免許税で済みます。

住所と氏名の変更日が違っても、一緒に申請できる

結婚を理由に氏名と住所が変わることがありますが、戸籍に記載された氏名変更日と、住所を移転した日付が異なっていても、名義人の変更登記としてまとめて申請することができます。

この場合の登録免許税は、先ほどの複数の所有者が住所を一緒に移転するケースと同様で、バラバラに申請するよりも安くなります。

登記記録上の住所氏名に誤りがあるなら「更正登記」

相続や売買などで名義人になった当時の住所氏名がそもそも間違っている場合は、変更登記ではなく「更正」登記が必要となります。

この場合は変更登記とは別の区分となり、住所変更と氏名更正をすると、どちらも変更のときと比べて登録免許税が倍かかってしまいます。

住所氏名変更を自動的に登記してもらう方法がある

住所氏名変更が義務化されるとともに、変更登記が法務局の職権で行われるようになります。

個人の場合と法人の場合で扱いが異なるため分けて解説します。

個人の場合

個人の場合、法務局に職権登記の申し出をすることで、法務局が住基ネットから所有者の情報を抽出して、職権で登記できるようになります。

申し出の内容は住所氏名生年月日性別などです。
法務局が住基ネットから得た情報と登記記録上の情報が異なる場合、法務局の登記官が所有者に変更登記の可否を通知します。
所有者が変更登記に承諾した場合、職権で登記がなされます。

なぜ申し出や事前承諾が必要なのか?

個人の住所や氏名を申し出による職権変更ではなく、申し出なしでも自動的に変更した方が良いと考えられるかもしれませんが、あくまで申し出が必要となっている理由として、①DVなどの被害者が現在の住所氏名を相手に知られないように変更していないケースや、②住所を一時的に移転しただけで、すぐに登記記録上の住所に戻る予定があるケースなどがあります。

法人の場合

法人の住所商号変更登記は、個人と異なり通知されることはありません。

令和6年4月から所有者欄に本店商号に加えて会社法人等番号が付されるようになり、法務局の登記官が変更情報を取得したときに通知をすることなく職権で変更登記をすることになります。

住所変更登記は司法書士に相談

住所変更登記などの権利に関する登記申請の専門家は司法書士です。
税理士、行政書士などは申請することができず、報酬を受領して登記申請することは犯罪です。
登記に関する相談は司法書士にしましょう。

住所変更登記は速やかに

住所変更登記は住民票を取得しなければなりませんが、住所を転々としている場合は登記記録上の住所から現在の住所までのすべての繋がりがわかる資料が必要であり、時には古い住民票除票や戸籍原附票と呼ばれる書類を取得することがあります。

転々と移転しているケースや、変更日がかなり昔だと、役所の保存期間経過により当時の証明書が破棄されている可能性があり、この場合は上申書など特別に書類を作成して申請しなければなりません。

余計な書類が増えるばかりでなく、専門家に依頼するときの報酬も変わってくるため、住所や氏名が変わった際はなるべく早めに申請するか司法書士に相談しましょう。

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