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相続登記の義務化とは?いつから?放置するとどうなる?過料の回避方法や注意点など

2024 2/16
相続登記の義務化とは?いつから?放置するとどうなる?過料の回避方法や注意点など

改正不動産登記法の施行により、令和6年(2024年)4月1日から相続登記が義務化されます。

相続登記の義務化とは、いつから義務化されるのか、登記しないとどうなるのか、罰金がかからないようにするための対策や注意点などをご紹介します。

目次

相続登記の義務化とは?

不動産を所有していた方が亡くなった場合、役所や法務局が自動的に名義を変更してくれるわけではなく、不動産を取得した相続人や受遺者が自ら法務局に申請して、亡くなった方名義から相続人等へ名義を変更する必要があります。この申請手続きのことを相続登記と呼びます。

相続登記は、今まで任意の登記とされていました。
しかし、近年では亡くなった方名義のままで田舎の山林や家屋が放置され、空き家問題等の深刻な社会問題となっています。そこで、民法改正により、相続登記が義務化されます。

これにより、不動産を亡くなった方の名義のままにしておくことが出来ず、一定期間内に必ず登記(法務局に申請)しなければならなくなりました。

相続登記の義務化はいつから開始する?

相続登記の義務化は、令和6年(2024年)4月1日から始まります。

注意すべきことは、相続登記の義務化は過去に遡って適用される点です。

つまり、令和6年4月1日より前に相続が発生した人(現に不動産の名義変更を放置している人)も相続登記義務化の対象となります。

相続登記の期限は?いつまでに申請する?

令和6年(2024年)4月1日以降に相続が発生した場合

①自己のために相続が開始したことを知り、かつ、②所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請しなければならないこととされました。(改正不動産登記法第76条の2第1項前段)

令和6年(2024年)4月1日より前に相続が発生している場合

注意すべきことは、相続登記の義務化は過去に遡って適用されます。
つまり、令和6年4月1日より前に相続が開始した人(現に不動産の名義変更を放置している人)も対象となる点で注意が必要です。

既に相続が発生し、登記をしていない人は、

あ)令和6年(2024年)4月1日
い)相続の発生と、不動産の取得を知ったとき

どちらか遅い方から3年以内に法務局に相続登記などの申請をする必要があります。

既に相続が発生していることを知っている人は、令和6年4月1日から3年以内、つまり令和9年3月31日までに、法務局で相続登記を申請しなければ罰則の対象となってしまいます。

相続登記を放置するとどんな罰則がある?

相続登記をしないままで放置していると、10万円以下の過料(罰金)が課されることがあります。

相続登記義務違反の10万円以下の過料はいわゆる行政罰であり、刑事上の犯罪のような前科になる訳ではなく、交通違反の反則金と同じ扱いですが、きちんと相続登記を申請していれば本来払う必要のないお金です。

過料が科されてしまう前に、司法書士に相談するようにしましょう。

ご相談フォームはこちら初回相談料無料。お気軽にご予約ください。

相続登記義務違反を回避するにはどんな手続をすれば良い?

相続登記の義務化に伴い、相続登記義務違反の過料を回避するために具体的に行う相続手続の方法はいくつかあります。具体的には次のようなものです。

(1)相続人全員が法定相続分どおりで相続登記をする

相続人が法定相続分どおりで相続登記を申請すれば、相続登記の義務を果たしたことになり、過料は免れます。
法定相続分というのは、相続人が法律上有している相続の取り分のことです。

相続登記を含む相続手続きを行う際、相続人が複数いる場合でかつ遺言書がない場合は相続人全員が同意した書面「遺産分割協議書」を作成することがほとんどです。しかし、遺産分割協議書は相続人のうち1名でも反対していると書面を作成することができなくなってしまいます。

相続人が複数いるけれど遺産分割協議が中々まとまらず、相続登記義務の3年を経過してしまいそうな場合は、いったん法定相続分どおりで相続登記を申請する方法もあります。

ただし、法定相続分どおりで相続登記をしたあとに遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議成立後に再度登記を申請することになり、費用が少し余計にかかります。

(2)3年以内に遺産分割協議をし、相続した相続人が相続登記をする

相続発生から3年以内に相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産を相続することになった相続人は、遺産分割の協議成立の日から3年以内に相続登記を申請すれば、相続登記の義務を果たしたことになります。

相続開始から3年以内に相続人全員が話し合いできる状態であれば、これがもっとも費用がかからず、確実な方法です。

(3)相続人申告登記の申出をする

令和6年4月1日の改正不動産登記法の施行による相続登記義務化に伴い、相続登記とは別に新たに「相続人申告登記の申出」が創設されました。

相続登記は亡くなった方の戸籍除籍原戸籍、相続人の戸籍、相続人の印鑑証明書、遺産分割協議と遺産分割協議書の作成など、非常に多くの手続や書類が必要であり、一般の方が収集するのは困難なことがあります。

また、自分以外の相続人の戸籍や印鑑証明書が必要であるにも関わらず、他の相続人が非協力的で書類が集まらないことも考えられます。

相続人申告登記は、上の例のように相続人同士の協力が難しい場合、または相続人自体が多すぎて書類の収集に時間を要する場合に行う届出です。
相続人申告登記は、自分が法定相続人の1名であることを法務局に対して申告する(届出する)手続をさします。相続人申告登記はあくまで「申し出」であり、明確に権利を取得する登記ではありませんが、必要最低限の書類を提出し、自分が相続人の1名であることを申出ることで、相続登記の義務を果たしたことになります。

相続人申告登記は相続人が他の相続人に関係なく1人で申告することができ、申告をした相続人のみが義務を果たしたことになりますので、他の相続人が義務を免れるためには、同じく相続人申告登記をするか相続登記を行うことになります。

相続人申告登記の申出に必要な書類

通常の相続登記は、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍に加え、相続人全員の戸籍、住民票、印鑑証明書などを揃えることが必要でしたが、相続人申告登記は亡くなった方の死亡を証する戸籍と、自分が相続人であることの戸籍のみで足りることとされています。

相続人申告登記の申出にかかる登録免許税

相続人申告登記には、登録免許税がかかりません。
通常の相続登記は不動産の固定資産税評価額の1000分の4を乗じた金額を、登録免許税として納めることになります。

(4)相続放棄をする

相続放棄をすることで、放棄した人は「法律上はじめから相続人でなかった」ことになり、相続登記の義務から免れることになります。

ただし、相続放棄をしてしまうと、不動産のみを放棄することはできず、預貯金や株式など被相続人名義の全ての財産をまとめて放棄することになるため注意を要します。

さらに、相続放棄は相続が開始してから3か月以内に家庭裁判所に申述しなければならないため、じっくり検討してから相続放棄を選択することはできず、緊急性が求められます。

相続登記義務違反の過料の例外:正当性

相続登記の義務化により、相続が発生し、かつ自分が所有権を取得したことを知ってから3年以内に登記をしなければなりませんが、この期間を過ぎてしまうと一律に罰則が適用されるかというと、そうではありません。

相続登記義務違反の過料は「正当な理由がなく相続登記を怠った場合」に適用されるとされています。

正当な理由

相続登記義務を免れるための正当な理由として法務省ホームページでは、次のような例が挙げられています。

(1)相続登記を放置したために相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース

相続登記を放置している方の中には、明治初期生まれの方名義のままになっていることも少なくありません。
このような場合には、相続人が数名どころの話ではなく、30~50人規模になることもあります。

相続人があまりに多数だと、その戸籍を収集するだけでも半年程度時間を要することもありますし、相続人を特定しきる前に、新たに相続が発生することも珍しくありません。
具体的な人数は明示されていませんが、このように「相続人が極めて多数」と考えられる場合には、相続登記義務違反の過料を免れる正当な理由に該当するとされています。

(2)遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース

相続登記義務は、相続等により不動産を取得したことを知った相続人が3年以内に行うべき義務です。

ところが、その前提である「誰が相続人(不動産を取得した)か」に関わる遺言書の有効性や、そもそも被相続人の財産であるかどうかについて相続人や第三者との紛争になっている場合には、法定相続人が相続登記を申請したとしても、のちに覆される可能性があります。

したがって、そもそもの相続財産であるか否か、相続人を決定する遺言書の有効性を争うようなケースでは、相続登記義務の過料対象にならない「正当な理由」があると考えられます。

(3)申請義務を負う相続人自身に重病その他これに準ずる事情があるケース

申請義務を負う相続人自身が重病等により相続登記を行える状況ではないときは、相続登記義務違反を免れる正当な理由があると例示されています。

ただし、具体的にどのような重病であれば免れるのか、相続登記義務の期間3年のうち2年間重病にかかり、最後の1年快復していた場合は義務違反で過料が適用されるのかなどは、まだわかっていません。
実際に相続登記義務が施行されてから、法務省の通達や個別案件により判断されると思われますので、注意が必要です。

(4)登記簿はあるものの、現況と公図の情報に差異があり、実際に土地を確認することができない

相続すべき不動産の登記簿自体は存在しているものの、その情報と実際の不動産そのものの情報に差異があり、土地を確認することができないような場合には相続の対象である不動産かどうかがはっきりしないため、正当な理由に該当すると考えられます。

(5)相続登記の義務者が、配偶者からのDV等により避難を余儀なくされているとき

相続登記、あるいは申告人登記の申し出を行うと、その方の住所氏名が登記されます。DV等で避難している方には、住所氏名を公示してほしくない方も一定数いると思われます。
相続登記の義務者がDV等の事情により避難を余儀なくされているときは、相続登記義務を免れる正当な理由になると考えられています。

(6)相続登記の義務者が経済的に困窮しており、相続登記に要する費用を負担する能力がない

相続登記は、必要な書類を集める費用のほか、登録免許税を納付する必要があります。登録免許税は不動産の評価額の1000分の4を乗じた金額となり、不動産が1000万円の評価額の場合は登録免許税が4万円かかることになります。
生活保護受給者あるいはそれに準ずる生活をされているように、経済的に困窮しており、これらの費用を負担するだけの資力がない場合には、相続登記をすることが困難であるとして「正当な理由」に該当するとされています。

以上が相続登記義務を免れる正当な理由として例示されていますので、反対解釈として、

忙しい
やり方がわからない
期間や制度を勘違いしていた
相続人と不仲であり遺産分割協議がまとまらない
相続人が音信不通で行方を知らない

などは正当な理由にはなりません。

相続登記をしていない人がやるべきこと

相続登記をしていない人、既に放置している人は、令和6年(2024年)4月1日から3年以内に法務局に相続登記などの申請をすれば過料は科されません。

相続は時間が経過するほど亡くなった人の当時の書類を集めることが難しくなったり、更に別の相続が発生し相続人が増えたりするため、早急な手続を要します。

既に放置しているのであれば、施行される今の段階から相続登記をするか、司法書士に相談した方が良いでしょう。

意味もなく放置し続けると、相続人が増えることになり、手続きに余計な時間と費用がかかることがあります。

自分で相続手続ができない方は誰に相談する?

法務局に何度か足を運び、申請書類や戸籍などの添付書類を集められるのであれば、ご自身で相続登記をすることができます。

時間と手間がかかるのが嫌だ
日中は仕事で法務局に行けない
必要な書類が分からず、集められない
相続人が遠方や高齢で、手続出来ない

などの場合は、お金はかかりますが相続登記の専門家である司法書士に相談しましょう。

相続登記を司法書士に相談するメリット

不動産の名義変更、相続登記の専門家は司法書士です。

1.相続に関する不安、疑問などを解消してもらえる

相続は、そもそも誰が相続人になるのか、相続人で揉めないようにするにはどうするのか、相続税や費用がどれぐらいかかるのか、といった不安や疑問点が非常に多い手続です。

相続専門の司法書士に依頼することで、疑問点や不安を解消することができます。

2.相続人調査、財産調査などを正確かつスピーディに行える

戸籍を集めるためには役所に請求し、財産を調査するには法務局や銀行に請求することになりますが、いずれも平日の日中にしか空いていないため、働きながらこれらを進めるのは非常に時間と労力がかかります。

相続を専門とする司法書士であれば、相続人調査(戸籍収集)や財産調査などを正確かつスピーディに行うことができます。

3.相続登記申請に必要な書類を作成してもらえる

相続登記には、遺産分割協議書や登記申請書、場合によっては上申書などを用意しなければなりません。

これらは書き方が決まっており、万が一不備があれば何度も法務局に行ったり、署名押印し直さなければなりません。

相続専門の司法書士であれば、これらの書類を正確に作成しますので、ご依頼者様の負担が大幅に減ります。

4.相続登記申請や銀行の解約までを依頼できる

相続専門の司法書士であれば、不動産の相続登記はもちろんのこと、預貯金の解約や株式の移管手続など、亡くなられた方の相続手続を一括してお引き受けすることができます。

当事務所は相続専門ですので、放置されている不動産や空き家問題などにも対応できます。お気軽にご相談ください。

ご相談フォームはこちら初回相談料無料。お気軽にご予約ください。

そもそも相続登記とは?

相続登記とは、亡くなった方の不動産の名義を、相続人などに変更(移転)する手続です。

法務局に戸籍などを提出し、申請します。

相続登記はどこに申請する?

相続登記は、不動産を管轄する法務局に申請します。

神戸市中央区や灘区であれば、神戸地方法務局本局が管轄、神戸市須磨区や垂水区であれば、神戸地方法務局須磨出張所が管轄といったように、不動産の所在地ごとに管轄が決まっています。

つまり、不動産をいろんな場所に複数所有している方は、管轄ごとに相続登記を申請する必要があります。

相続登記は誰が申請する?

相続登記は、新しく不動産の権利を取得する人(相続人)が申請します。

不動産登記は権利を取得する人と失う人の共同で申請する原則がありますが、相続の場合権利を失う人が亡くなっているため、権利を取得する相続人のみが単独で申請することができます。

ただし、相続人以外の、例えば遺言によって血縁関係にない第三者が不動産を取得する場合は、第三者が権利者、亡くなった方の相続人全員が義務者となって登記を申請することもあります。

相続登記にはどんな書類がいる?

相続登記は、相続の仕方、相続人の数、相続人の属性、遺言の有無等によって書類が大幅に変わる手続です。

参考程度に、遺言書のない一般的な相続登記手続では、次の書類が必要となります。

亡くなった方の出生~死亡までのすべての連続した戸籍
亡くなった方の最後の住所を証明する住民票または戸籍附票
相続人全員の現在の戸籍
相続人全員の現在の住所を証明する住民票または戸籍附票
亡くなった方名義の不動産の納税通知書、課税明細書、評価証明書
法定相続分以外で相続する場合は遺産分割協議書
相続人全員の印鑑証明書

相続登記は誰に、どの専門家に相談する?

不動産の相続登記手続は、司法書士が専門家です。

行政書士や弁護士も相続を扱うことがありますが、不動産登記は司法書士に別で依頼することになります。

司法書士であれば戸籍取得(相続人調査)から相続登記まですべて一括でお引き受けができますので、司法書士に相談しましょう。

より詳しい比較は別記事で紹介しています。

ご相談フォームはこちらこちらのフォームよりお気軽にご予約ください。

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